活動報告 福岡市早良区 市議会議員 大森一馬

令和4年条例予算特別委員会

大森委員 自由民主党福岡市議団を代表して、プラスチックごみの分別回収について、教員不足について、子宮頸がん予防ワクチン接種について、以上3件について質問する。まず、プラスチックごみの分別回収について質問する。本市が今後とも住みやすい元気な都市であり続けるためには、循環型社会の構築に向けて、市民や事業者の意識を高め、具体的な行動につなげていく必要がある。令和4年4月に施行されるプラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律では、ペットボトルをはじめとしたプラスチックごみの削減に向け、積極的に取り組むものとされている。また、同法において、市町村はプラスチック廃棄物の分別収集に努めるとされていることから、今後、本市が進めていくプラスチックごみ削減の取組について尋ねる。まず、本市はプラスチックごみ対策にどのように取り組んでいくのか、令和4年度の事業概要及び予算額を尋ねる。
環境局長 プラスチックごみ対策としては、令和3年8月に策定した循環のまち・ふくおか推進プランにおいて、重点3品目の一つに位置づけ、発生抑制と再使用の2Rに重点を置いた取組を推進している。令和4年度の事業としては、プラスチック回収モデル事業、ボトルtoボトルリサイクルの試行実施、公共施設への給水スポットの設置、指定ごみ袋へのバイオマスプラスチックの導入などを実施することとしており、予算額は1億340万円余である。
大森委員 本市の家庭から出されるプラスチックごみの量はどれくらいか、その内容はどのようなものか尋ねる。
環境局長 家庭から出されるプラスチックごみの量については、令和2年度に実施した組成調査による推計では、可燃ごみ約27万5,000トンのうち、プラスチックごみが約6万2,000トンとなっている。その内容としては、ペットボトルや包装用ビニールなどの容器包装が約4万7,000トン、ハンガーなどの製品プラスチックが約1万5,000トンとなっている。
大森委員 来年度の新たな取組として、拠点でのプラスチック回収モデル事業を実施するとのことだが、モデル事業の内容及び予算額について尋ねる。
環境局長 モデル事業の内容は、区役所、市民センター等の市内9か所の回収拠点において、製品プラスチックを回収しリサイクルするものであり、予算額は5,580万円余となっている。
大森委員 具体的には何を回収し、その後どのように処理されるのか、モデル事業をどういう方法で市民へ周知していくのか尋ねる。また、各校区に設置してあるリサイクルステーションでは回収しないのか尋ねる。
環境局長 モデル事業における回収品目としては、バケツ、洗面器、ハンガーなどプラスチック素材でできている製品で、家庭から排出されるものを予定している。回収したプラスチックについては、市内の施設で圧縮、梱包を行い、その後、民間のリサイクル事業者により、選別、破砕、洗浄処理を経て、再生樹脂ペレットとしてプラスチック製品の原料にリサイクルされることになる。市民への周知方法としては、市ホームページや市政だよりへの記事掲載などを行う予定としている。また、地域の人たちで運営している校区紙リサイクルステーションにおいてプラスチックの回収を行うためには、廃棄物処理法に基づく許可が必要となるため、回収拠点とはしていない。
大森委員 市はこれまで家庭から出されるプラスチックごみを分別回収していなかったが、その理由は何か。また、今回のモデル事業でプラスチックのリサイクルに取り組むこととしたのはなぜか尋ねる。
環境局長 プラスチックごみの分別収集については、既に容器包装プラスチックを分別している都市の中には、約半分が燃えるごみとして排出されるなど、分別の定着の難しさや、回収したものの約3割が不適物となるなど、リサイクルの効率性に課題があることなどを踏まえ、本市では分別収集をしていなかったが、プラスチック資源循環法において、市町村は分別収集、再商品化などの必要な措置を講じるよう努めるとされていること、市が処理するごみ処理量の削減となること、温室効果ガスの削減にもつながることなどから、今回、モデル事業としてプラスチックのリサイクルに取り組むものである。
大森委員 モデル事業ではどのくらいの回収量を見込んでいるのか。また、それは本市のプラスチックごみのうち、どの程度の割合なのか尋ねる。
環境局長 モデル事業での回収量については、現在、開始時期や回収品目を検討しており、回収量を正確に見込むことは難しい面があるが、数十~数百トン程度の回収を想定している。仮に100トン回収されたとすると、燃えるごみとして出されている製品プラスチックの約1%に当たる。
大森委員 モデル事業で何を検証したいのか、その回収量で十分な検証ができるのか尋ねる。
環境局長 今回のモデル事業においては、製品プラスチックを対象として、排出される品目や収集、選別、圧縮、リサイクル時の課題の抽出及びリサイクルの状況について検証することを目的としていることから、想定している回収量でも十分に検証は可能であるものと考えている。
大森委員 製品プラスチックを適切にリサイクルできるかどうかを確認するため、まずはモデル事業で検証に取り組むことと理解した。次に、来年度のもう一つの新たな取組として、ペットボトルのボトルtoボトルリサイクルを試行するとのことだが、これについて質問していく。まず、ボトルtoボトルリサイクルとは何か尋ねる。また、例えば、飲料メーカーが自動販売機の横の回収ボックスで回収しているペットボトルなど、事業者によって回収されたものを含め、ペットボトルのリサイクル状況について尋ねる。
環境局長 ボトルtoボトルリサイクルとは、使用済みのペットボトルを原料として、新たなペットボトルを製造するリサイクル手法である。ペットボトルのリサイクルの状況については、ペットボトルの製造販売事業者で構成されているペットボトルリサイクル推進協議会の公表資料によると、国内における2020年度の年間実績で、ペットボトルの販売量は約55万1,000トン、リサイクル量は約48万8,000トン、リサイクル率は88.5%であり、多くはシートや繊維にリサイクルされており、ペットボトルにリサイクルされているものの割合は約2割となっている。なお、回収されたペットボトルのうち、約半分は市町村、残りの約半分は事業者により回収されたものとなっている。
大森委員 ボトルtoボトルを試行実施するとはどういうことなのか尋ねる。また、ボトルtoボトルリサイクルを始めるに当たり、市民がペットボトルを出すときの出し方が変わるのかどうか尋ねる。
環境局長 ボトルtoボトルリサイクルについては、ペットボトルのリサイクルの状況や、リサイクルルートの安定的な確保等を検証する必要があることから、市が回収したペットボトルの半分程度を対象に試行的に実施するものである。また、この事業は、市が各家庭から回収した後のペットボトルの処理方法を変更するものであり、市民のペットボトルの排出方法を変更するものではない。
大森委員 それでは、ボトルtoボトルリサイクルにはどういったメリットがあると考えているのか尋ねる。
環境局長 ボトルtoボトルリサイクルは、使用済みペットボトルを原料として新たなペットボトルを製造することで、ペットボトルの製造工程における化石由来資源の使用削減につながることから、効果的な資源循環の手法であると考えている。また、回収したペットボトルが再びペットボトルに生まれ変わるという分かりやすさがあり、市民に適正分別を啓発する際の事例として活用していきたいと考えている。さらに、近年、飲料メーカーのリサイクルペットボトル導入に向けた取組の推進により、ペットボトルの需要は高まっていることから、ペットボトルの売却価格については、これまでと同程度かそれ以上となることを見込んでおり、財政的なメリットもあると考えている。
大森委員 新たな化石由来資源の使用削減につながるとのことだが、これまでもペットボトルから繊維などにリサイクルされていたことを考えると、全体として捉えて本当に資源の使用削減となるのか疑問もあるが、市の考えを尋ねる。
環境局長 ペットボトルから食品用トレイなど、他の製品へのリサイクルについては質の劣化を伴い、最終的には廃棄されるものが多くなるのに対し、ボトルtoボトルリサイクルは繰り返し再生利用が可能であり、一般的には化石由来資源の使用削減効果が大きいとされている。今後、試行実施を行う中で、ボトルtoボトルリサイクルのメリットを市民に具体的に示すことができるよう、効果の検証に取り組んでいく。
大森委員 脱炭素の観点から、メリットがあるのかどうかについてもしっかりと検証されたい。プラスチックのリサイクルを進めるためには、現在、本市が家庭ごみとして分別収集しているペットボトルだけでなく、容器包装プラスチックや製品プラスチックについても一括して回収することが望ましいと考えるし、また、それが国が進めようとしている方向性でもある。先ほど、容器包装プラスチックのリサイクルは様々な課題があるとの答弁があったが、本市は家庭ごみを夜間収集しているという特徴もある中、今後、家庭ごみ収集にプラスチックごみの分別を導入するとしたら、どのようなことを検討していかなければならないのか尋ねる。
環境局長 プラスチックごみの分別を導入するとした場合に必要となる検討事項としては、分別収集の対象となる物の選定、夜間戸別収集を実施している中での収集運搬体制の構築、選別、圧縮梱包施設の整備、リサイクルルートの確保などが考えられる。
大森委員 分別の導入には検討すべき事項が多いと思う。しかしながら、プラスチックのリサイクルを進め循環型の社会をつくるためには、将来的には分別の導入を検討することは避けては通れないものと思う。来年度はモデル事業から着手するとして、その後も着実に前に進めていく必要があると思うが、モデル事業を実施した後の展開についてどう考えているのか尋ねる。
環境局長 モデル事業においては、製品プラスチックの回収状況やリサイクルの状況等を確認した上で、回収品目の拡大など、その後の回収方法について検討していく。また、プラスチックの分別収集については、モデル事業で得られた知見を踏まえ、効果的な回収、リサイクル体制の構築に向け、収集運搬業者をはじめ関係事業者の意見も聞きながら、課題の整理や方向性の検討を行っていく。
大森委員 収集の現場を熟知している関係事業者の意見も十分に聞きながら検討を進められたい。また、プラスチックの分別を導入するとした場合は、市民生活にも影響を及ぼすことから、市民にも丁寧に説明を行ってもらいたい。本市は、2040年度温室効果ガス排出量実質ゼロを目指すというチャレンジ目標を掲げており、プラスチックごみの削減は温室効果ガスの削減にもつながることから、このプラスチックごみ対策の検討にもスピード感が求められている。循環型社会の推進だけではなく、脱炭素社会の実現のためにも、プラスチックごみ削減につながる取組を、強い決意を持って推し進めていく必要があると考えるが、このことについての市の考えを尋ね、この質問を終わる。
環境局長 本市においては、人と環境に優しい持続可能な都市を目指し、環境負荷を軽減し、都市の発展を持続させる、福岡式循環型社会システムの構築に取り組んでいる。プラスチックごみの削減は、循環型社会の推進だけではなく、脱炭素社会の実現の観点からも不可欠であり、分別回収は重要な取組の一つと認識している。資源の循環的利用を推進し、温室効果ガスの排出量削減をより効果的に進めるためにも、本市に適した回収、処理体制の構築に向け、スピード感を持って、課題の整理や方向性の検討を進め、持続可能な社会を実現し、安全、安心な生活環境を将来へ引き継いでいく。
大森委員 次に、教員不足について質問する。先日、全国の教員採用試験の実施状況と教員不足等の状況について、文部科学省の調査結果が報道された。その中で、正規教員を目指す受験者が減少していることに加え、令和3年度当初、全国で2,500人を超える教員不足が発生していることが大きく取り上げられるなど、教育環境は厳しさを増している。また、社会の在り方が劇的に変わるとともに、新型コロナウイルス感染拡大など、先行き不透明な、予測困難な時代ともなっている。その中でも、一人一人の児童生徒が多様な人々と協働しながら豊かに人生を切り開き、持続可能な社会のつくり手となるためには、令和の日本型学校教育として、全ての子どもたちの可能性を引き出す個別最適な学びと協働的な学びを実現する必要がある。そして、その実現のためには、教員を確実に配置し、子どもたち一人一人へきめ細かな指導を行う環境をつくることが最も重要である。今後の教員の確保に係る取組を教育委員会として積極的に進めることを求め、質問する。そこで、まず、文部科学省の教員不足の調査について、今回初めて実施したとのことだが、その目的と概要を尋ねる。
教育長 文部科学省の調査は、教員不足に関して全国的な実態を把握することを目的として行われたもので、全国の都道府県、政令指定都市の教育委員会に対し、教職員定数の基準日となる令和3年5月1日時点においての教員不足の実態や原因などを調査したものである。なお、当該調査における教員不足とは、学校に配置することとしている担任以外の教員を含む教員数に対し、講師の確保ができずに欠員が生じる状態とされている。
大森委員 次に、調査結果について、本年度5月1日時点の全国の小中学校の教員不足数について尋ねる。
教育長 全国の教員不足数は、小学校が979人、中学校が722人となっている。
大森委員 本市及び本市と北九州市を除く県域について、小中学校の学校数と、本年度5月1日時点の教員不足数について尋ねる。
教育長 本市の学校数は、小学校が144校、中学校が69校、県域の学校数は、小学校が441校、中学校が205校となっている。また、それらの学校のうち、教員不足数については、本市は、小学校ではゼロ、中学校が19人、県域は、小学校が69人、中学校が59人となっている。
大森委員 教員不足について、県は大変厳しい状況であり、本市についても、県ほどではないにせよ、やはり厳しいと言わざるを得ない。改善のための取組を進めていく必要があるが、そのためには原因を把握することが重要である。教員不足が発生した原因について、本市としてどのように捉えているのか尋ねる。
教育長 教員不足は、大量の定年退職により大量採用が必要なことや、児童生徒数の増に伴う通常学級や特別支援学級の増加、産休、育休取得者の増などにより必要な教員数が増加する一方、教員の志願者が減少していることなどが原因と考えている。
大森委員 特別支援学級が増加しているとのことだが、直近3年間の推移を尋ねる。
教育長 特別支援学級数の推移は、令和元年度が453学級、2年度が505学級、3年度が568学級となっている。
大森委員 特別支援学級の増加が顕著であるが、小中学校で特別支援教育に携わる特別支援学級や通級指導教室の担当教諭について、特別支援学校に配置する教諭と比較し、資格や専門性に差があるのか尋ねる。
教育長 特別支援学校に配置する教諭は、平成14年度実施の採用試験から、特別支援学校教諭の免許状の保有を受験資格とするとともに、法令に基づき当該免許状保有者の配置を行っている。特別支援学級及び通級指導教室の担当教諭は、法令に規定はないが、特別支援教育推進のため、特別支援学校教諭の免許状を保有した教員の配置に努めるとともに、新たに担当となる全ての教諭を対象として、専門性向上のため、特別支援教育に関する研修を行っている。
大森委員 特別支援学級や通級指導教室についても、特別支援学校と同様に、特別支援教育の専門性のある教諭の配置が必要である。引き続き、研修の充実などにより専門性の向上に努めるとともに、特別支援学校教諭免許状を保有する教員の配置を推進するよう求めておく。教員採用について、近年、大量採用を行っているとのことだが、10年前の平成23年度、5年前の28年度、そして令和3年度の小中学校合計の採用者数を尋ねる。
教育長 小中学校の教員の採用者数は、平成23年度が234人、28年度が259人、令和3年度が474人となっている。
大森委員 教員採用者について、10年前と比較して大きく増加しているが、本市の今後の教員採用者数の見込みを尋ねる。
教育長 教員の採用者数は、児童生徒数の推計や退職予定者数などを踏まえ、必要な人数を毎年度見込んでおり、今後数年は、令和4年度の採用予定者数と同程度の採用が必要になるのではないかと考えている。
大森委員 大量採用に伴い、少なくともしばらくは産休、育休取得者の増加が見込まれることから、今後も教員不足の状況は厳しさを増すと考えられるため、対応策を検討し、着実に実施することが必要だと考える。教員不足への対応として、確実な配置とともに質の確保も重要な課題であるが、本市及び県について、教員採用における過去3年間の小中学校合わせたところでの競争倍率について尋ねる。
教育長 競争倍率は、試験実施年度で答弁すると、本市が、令和元年度3.8倍、2年度2.2倍、3年度2.0倍となっている。また、県が、令和元年度2.0倍、2年度1.9倍、3年度1.7倍となっている。
大森委員 教員不足と同様に、本市についても、県ほどではないにせよ、やはり厳しいと言わざるを得ず、一つの自治体の個別の問題ではないことが分かる。競争倍率減少の原因について、本市としてどう分析しているのか尋ねる。
教育長 競争倍率は、受験者数の減と採用者数の増の両面から低下している。まず、受験者数の減について、文部科学省は、全国的な大量退職に伴い、多くの講師が正規採用されることで、既卒の受験者が減ってきていること、併せて、教員について、長時間勤務などにより、社会的役割の重要性に比して、魅力的な職業としての認識が必ずしも十分ではないことに言及しており、本市も同様の状況にあると考えている。また、採用者数の増については、大量退職や児童生徒数の増に加え、特別支援学級の増などが原因と考えている。
大森委員 来年度以降、教員不足への対応として、質の確保を図りながら確実な配置を行うため、教育委員会としてどう取り組んでいくのか尋ねる。
教育長 教員不足への対応は、短期的には、学生や講師を対象とする新たな選考制度を導入し、実践力の高い優秀な人材の確保を図るとともに、引き続き指導力の高い教員OBの活用を図っていく。中長期的には、教員志願者の増加に向けて、教員が働きやすい職場環境づくりや、高校生を対象に、教員の魅力を理解してもらうようなPRに取り組んでいく。
大森委員 厳しい競争倍率の中、採用する教員の質の確保に向け、教員採用試験において新たな選考制度を導入するとのことだが、その具体的な内容を尋ねる。
教育長 令和4年度の新たな選考制度は、まず、教員養成に係る連携、協力協定を締結した大学の学生を対象として、教育実習の学校長評価や大学からの推薦に基づく特別選考を実施する。あわせて、本市の講師を対象として、勤務校における評価に基づく特別選考を実施する。これらの新たな特別選考制度の導入により、人物重視の選考をさらに推進し、より実践力の高い優秀な人材を確保する。
大森委員 大学との連携を進めているようだが、採用選考以外で連携している主な取組を尋ねる。
教育長 大学との連携としては、即戦力の人材となるよう、ICT能力をはじめ、必要な資質能力を在学時に養成するため、指導主事等を大学へ派遣し、学校現場の実態を踏まえた講義を実施している。また、大学から派遣される学生を学生サポーターとして学校で受け入れ、教育活動に参加してもらうことで、学校教育の活性化とともに教員を目指す学生の資質、能力の向上を図っている。
大森委員 教員不足解消に向けた取組として、大学と連携し、教員採用について、より人物重視の選考を進めること、即戦力となる人材を養成すること、そして、資質、能力を向上させることが重要である。引き続き取組を進め、厳しい競争倍率、教員不足の中でも、子どもたちのため優秀な人材をしっかりと確保、養成されたい。子どもたち一人一人へきめ細かな指導ができるよう、教員について確実な確保とともに、配置拡充が必要であると考えるが、令和4年度はどのように取り組むのか尋ねる。
教育長 令和4年度の教員配置は、国の学級編制の標準の改定などによる定数増のほか、市独自に30人の非常勤講師を新たに配置し、学校体制の充実を図る。教職員定数の充実については、引き続き国に要望していく。
大森委員 教職員定数の充実は重要であり、国への改善要望について、しっかりと継続して行うよう求める。また、年々競争倍率が減少する中、質の高い教員を確保するには、教員にとっての働きやすい職場環境づくりも重要である。具体的には、教員が仕事と家庭を両立させ、学校が働きやすい職場となるよう、働きながら出産や育児等がしやすい環境整備などを図ることが必要である。そして、本来、教師の業務で大切なことは、授業の準備や子どもと向き合い、きめ細かな指導を行うことである。その時間を確保するため、事務作業や保護者対応など、必ずしも教員が行う必要がない業務の負担を軽減し、子どもへの指導に専念できる環境を整備することが重要である。令和4年度において、教員の負担軽減に向け、どのような取組を予定しているのか尋ねる。
教育長 教員の負担軽減は、これまでも校務支援システムの導入などのICTの活用、スクールカウンセラーなどの専門スタッフの配置や拡充、給食費の公会計化や共同学校事務室による学校事務の一部集約化、自動音声メッセージ機能つき電話の整備など、様々な取組を進めてきた。令和4年度は、部活動指導員やスクール・サポート・スタッフなどの専門スタッフのさらなる拡充を行うとともに、学校の庶務事務の効率化を図るシステムや、高校における校務支援システムの導入などを行うこととしている。
大森委員 教員の負担軽減のため様々な取組を行うということだが、今後も積極的に進められたい。また、来年度、専門スタッフの拡充を行うとのことだが、多様な専門スタッフの配置を進め、それぞれの専門性を生かして、業務を連携、分担していくことが特に重要と考える。子どもや保護者の相談に応じるスクールカウンセラーや、教育と福祉をつないで子どもを支援するスクールソーシャルワーカーが教員と連携協力し、個別の児童生徒の状況に応じてチームで支援していくことについて、さらなる推進を期待する。引き続き、あらゆる手だてを尽くし、学校の働き方改革を推進し、働きやすい環境をつくってもらいたいと考えている。なお、教員を含む地方公務員について、令和5年度から定年の段階的な引上げが始まり、現在60歳のところ、最終的には65歳となる。この制度変更の教員配置に及ぼす影響も見極め、適切に対応しつつ、引き続き教員確保にしっかりと取り組むことを求める。最後に、全国的に教員不足が問題となっている中、本市としてしっかりと対応していくため、今後、より一層様々な取組を推進していく必要があると考えるが、教育長の意気込みを尋ねる。
教育長 教員の確実な確保は大変重要な課題であると認識している。教員を養成する大学とも連携しながら、教員の養成、採用について、さらに工夫するとともに、働き方改革の推進や本市の教員の魅力の積極的なPRなどを行い、質の高い教員を確実に確保できるよう、しっかりと取り組んでいく。
大森委員 全ての子どもたちの可能性を引き出す個別最適な学びと協働的な学び、その実現に向け、質の高い教員を確実に配置できるよう、積極的に取組を進めていくことを求め、この質問を終わる。最後に、子宮頸がん予防ワクチンについて質問する。予防接種法に基づいて、市町村が公費負担で実施する定期接種として、子宮頸がん予防ワクチンがある。このワクチンは平成25年4月に、予防接種法に基づき市町村が実施する定期接種の対象となったが、以降、疼痛や運動障がいなどの多様な症状が報告され、マスコミで多く報道された。このような状況を受け、厚生労働省の審議会が開かれ、副反応の発生頻度等がより明らかになり、国民に適切な情報提供ができるまでの間、定期接種を積極的に勧奨すべきではないとされ、25年6月から長期間にわたって、子宮頸がん予防ワクチンの定期接種は積極的勧奨が差し控えられてきた。それが、昨年11月に再開されることが決まり、これから接種が進んでいくものと期待しているところだが、今後、本市としてどのように子宮頸がん予防ワクチンの定期接種を推進していくのか尋ねたいと思う。まず、子宮頸がんとはどのようなもので、子宮頸がん予防ワクチンにはどのような効果があるのか尋ねる。
保健福祉局長 子宮頸がんは、女性の子宮の頸部にできるがんであり、そのほとんどが性的接触によるヒトパピローマウイルスの感染によって起こるとされている。国立がん情報センターの最新の統計によると、日本では年間約1万1,000人が罹患し、約2,900人が亡くなっている。また、子宮頸がん予防ワクチンの効果については、原因の50~70%を占める子宮頸がんを起こしやすいタイプのヒトパピローマウイルスの感染を防ぐとされている。
大森委員 子宮頸がん予防ワクチンの効果は高いと思うが、どのような人が子宮頸がん予防ワクチンの接種対象で、本市にはどのくらいいるのか尋ねる。
保健福祉局長 定期接種の対象者は、当該年度に12~16歳になる女子で、令和4年度では約3万4,000人となっている。
大森委員 多くの人が対象となっており、積極的勧奨が差し控えられている間、接種が進んでいなかったと思うが、定期接種となった平成25年度以降、本市において子宮頸がん予防ワクチンの定期接種の接種件数が一番少なかった年度と、直近3年間の件数を尋ねる。
保健福祉局長 接種件数が一番少なかったのは平成27年度の95件であり、直近3年間は、令和元年度が569件、2年度が2,873件、3年度は令和4年1月末現在の速報値で7,236件となっている。
大森委員 接種件数が落ち込んでいたようだが、令和2年度以降、件数が上向いているようである。どのような要因があるのか尋ねる。
保健福祉局長 増加の要因については、令和2年度に国の通知に基づいて、子宮頸がん予防ワクチンが公費によって接種できることや、接種について検討、判断するためのワクチンの有効性、安全性に関する情報を知らせるため、国が作成したリーフレット等を対象者及びその保護者に個別送付したことによるものと考えている。
大森委員 情報提供に取り組んだことにより、接種件数が向上したものと考えられる。今般、子宮頸がん予防ワクチンの積極的勧奨が再開されたが、その経緯と、本市ではどのように積極的勧奨を実施していくのか尋ねる。
保健福祉局長 積極的勧奨については、令和3年11月に開催された国の審議会において、最新の知見を踏まえ、改めてワクチンの安全性について特段の懸念が認められないことが確認され、接種による有効性が副反応のリスクを明らかに上回ることが認められたものであり、引き続きワクチンの安全性の評価や協力医療機関の体制強化を行っていくことなどの今後の対応の方向性も踏まえ、再開することが妥当とされたものである。これらの意見を踏まえ、国から積極的勧奨を再開する旨の通知がなされ、本市においては、標準的な接種年齢とされる当該年度に13歳になる女子に加え、これまで勧奨を行っていない、令和4年度に14~16歳になる女子に対しても、接種の予診票と啓発リーフレットを個別に送付することとしている。
大森委員 積極的勧奨が再開されることになった経緯と今後の対応が分かった。しっかりと情報提供しながら接種を推進されたいと思うが、平成25年6月から積極的勧奨が差し控えられていたため、接種機会を逃した人が多数いると思う。性的接触がウイルス感染の主な原因とされているため、年齢が高くなるにつれワクチン接種の効果は低くなるかもしれないが、個人によって状況は異なり、公平性の観点からはしっかりと接種機会を確保すべきと思う。そのような接種機会を逃した人への接種、いわゆるキャッチアップ接種についてどのように対応するのか尋ねる。
保健福祉局長 キャッチアップ接種については、令和4年度に17~25歳になる女子に対して、公平な接種機会を確保する観点から、令和4年4月~7年3月の3年間、定期接種を実施することとしている。
大森委員 キャッチアップ接種の対象者の中には、定期接種の対象期間を過ぎて、任意接種として接種を受けた人もいるようである。費用の払戻しといった対応が行われるのか尋ねる。
保健福祉局長 任意接種費用の償還払いについては、このほど国から標準的な実施方法が示されたところであり、具体的な対応について検討していきたいと考えている。
大森委員 不公平感がないよう償還払いを実施するなど、しっかりとキャッチアップ接種を進められたい。一方で、長期間にわたって積極的勧奨が差し控えられたことを考えると不安に思う人もいると思う。このような人に安心して接種を受けてもらうためには、相談支援体制や医療体制が重要である。最後に、対象者に安心して子宮頸がん予防ワクチン接種を受けてもらうために今後どのように取り組んでいくのか尋ね、質問を終わる。

~ 大森一馬 − 2022年05月23日 ~

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