活動報告 福岡市早良区 市議会議員 大森一馬

令和4年第4回定例会(第9日)

議長(伊藤嘉人) これより本日の会議を開きます。
日程第1、議案第124号ないし議案第147号、以上24件を一括して議題といたします。
この際、委員長の報告を求めます。
議長(伊藤嘉人) 生活環境委員会委員長、大森一馬議員。
大森一馬 ただいま議題となっております議案中、生活環境委員会に付託を受けました議案第176号につきましては、審査の結果、原案どおり可決すべきものと決しました。
以上で報告を終わります。

~ 大森一馬 − 2022年12月11日 ~

令和4年第4回定例会(第5日)

議長(伊藤嘉人) これより本日の会議を開きます。
日程第1、議案第148号ないし議案第174号、以上27件を一括して議題といたします。
この際、委員長の報告を求めます。総務財政委員会委員長、古川清文議員。議長(伊藤嘉人)
大森一馬 ただいま議題となっております議案中、生活環境委員会に付託を受けました議案4件につきましては、審査の結果、いずれも原案どおり可決すべきものと決しました。
以上で報告を終わります。

~ 大森一馬 − 2022年11月14日 ~

令和4年第3回定例会(第5日)

議長(伊藤嘉人) これより本日の会議を開きます。
日程第1、議案第90号ないし議案第122号、以上33件を一括して議題といたします。
この際、委員長の報告を求めます。
議長(伊藤嘉人) 生活環境委員会委員長、大森一馬議員。
大森一馬 ただいま議題となっております議案中、生活環境委員会に付託を受けました議案5件につきましては、審査の結果、いずれも原案どおり可決すべきものと決しました。
以上で報告を終わります。

~ 大森一馬 − 2022年08月22日 ~

令和4年条例予算特別委員会

大森委員 自由民主党福岡市議団を代表して、プラスチックごみの分別回収について、教員不足について、子宮頸がん予防ワクチン接種について、以上3件について質問する。まず、プラスチックごみの分別回収について質問する。本市が今後とも住みやすい元気な都市であり続けるためには、循環型社会の構築に向けて、市民や事業者の意識を高め、具体的な行動につなげていく必要がある。令和4年4月に施行されるプラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律では、ペットボトルをはじめとしたプラスチックごみの削減に向け、積極的に取り組むものとされている。また、同法において、市町村はプラスチック廃棄物の分別収集に努めるとされていることから、今後、本市が進めていくプラスチックごみ削減の取組について尋ねる。まず、本市はプラスチックごみ対策にどのように取り組んでいくのか、令和4年度の事業概要及び予算額を尋ねる。
環境局長 プラスチックごみ対策としては、令和3年8月に策定した循環のまち・ふくおか推進プランにおいて、重点3品目の一つに位置づけ、発生抑制と再使用の2Rに重点を置いた取組を推進している。令和4年度の事業としては、プラスチック回収モデル事業、ボトルtoボトルリサイクルの試行実施、公共施設への給水スポットの設置、指定ごみ袋へのバイオマスプラスチックの導入などを実施することとしており、予算額は1億340万円余である。
大森委員 本市の家庭から出されるプラスチックごみの量はどれくらいか、その内容はどのようなものか尋ねる。
環境局長 家庭から出されるプラスチックごみの量については、令和2年度に実施した組成調査による推計では、可燃ごみ約27万5,000トンのうち、プラスチックごみが約6万2,000トンとなっている。その内容としては、ペットボトルや包装用ビニールなどの容器包装が約4万7,000トン、ハンガーなどの製品プラスチックが約1万5,000トンとなっている。
大森委員 来年度の新たな取組として、拠点でのプラスチック回収モデル事業を実施するとのことだが、モデル事業の内容及び予算額について尋ねる。
環境局長 モデル事業の内容は、区役所、市民センター等の市内9か所の回収拠点において、製品プラスチックを回収しリサイクルするものであり、予算額は5,580万円余となっている。
大森委員 具体的には何を回収し、その後どのように処理されるのか、モデル事業をどういう方法で市民へ周知していくのか尋ねる。また、各校区に設置してあるリサイクルステーションでは回収しないのか尋ねる。
環境局長 モデル事業における回収品目としては、バケツ、洗面器、ハンガーなどプラスチック素材でできている製品で、家庭から排出されるものを予定している。回収したプラスチックについては、市内の施設で圧縮、梱包を行い、その後、民間のリサイクル事業者により、選別、破砕、洗浄処理を経て、再生樹脂ペレットとしてプラスチック製品の原料にリサイクルされることになる。市民への周知方法としては、市ホームページや市政だよりへの記事掲載などを行う予定としている。また、地域の人たちで運営している校区紙リサイクルステーションにおいてプラスチックの回収を行うためには、廃棄物処理法に基づく許可が必要となるため、回収拠点とはしていない。
大森委員 市はこれまで家庭から出されるプラスチックごみを分別回収していなかったが、その理由は何か。また、今回のモデル事業でプラスチックのリサイクルに取り組むこととしたのはなぜか尋ねる。
環境局長 プラスチックごみの分別収集については、既に容器包装プラスチックを分別している都市の中には、約半分が燃えるごみとして排出されるなど、分別の定着の難しさや、回収したものの約3割が不適物となるなど、リサイクルの効率性に課題があることなどを踏まえ、本市では分別収集をしていなかったが、プラスチック資源循環法において、市町村は分別収集、再商品化などの必要な措置を講じるよう努めるとされていること、市が処理するごみ処理量の削減となること、温室効果ガスの削減にもつながることなどから、今回、モデル事業としてプラスチックのリサイクルに取り組むものである。
大森委員 モデル事業ではどのくらいの回収量を見込んでいるのか。また、それは本市のプラスチックごみのうち、どの程度の割合なのか尋ねる。
環境局長 モデル事業での回収量については、現在、開始時期や回収品目を検討しており、回収量を正確に見込むことは難しい面があるが、数十~数百トン程度の回収を想定している。仮に100トン回収されたとすると、燃えるごみとして出されている製品プラスチックの約1%に当たる。
大森委員 モデル事業で何を検証したいのか、その回収量で十分な検証ができるのか尋ねる。
環境局長 今回のモデル事業においては、製品プラスチックを対象として、排出される品目や収集、選別、圧縮、リサイクル時の課題の抽出及びリサイクルの状況について検証することを目的としていることから、想定している回収量でも十分に検証は可能であるものと考えている。
大森委員 製品プラスチックを適切にリサイクルできるかどうかを確認するため、まずはモデル事業で検証に取り組むことと理解した。次に、来年度のもう一つの新たな取組として、ペットボトルのボトルtoボトルリサイクルを試行するとのことだが、これについて質問していく。まず、ボトルtoボトルリサイクルとは何か尋ねる。また、例えば、飲料メーカーが自動販売機の横の回収ボックスで回収しているペットボトルなど、事業者によって回収されたものを含め、ペットボトルのリサイクル状況について尋ねる。
環境局長 ボトルtoボトルリサイクルとは、使用済みのペットボトルを原料として、新たなペットボトルを製造するリサイクル手法である。ペットボトルのリサイクルの状況については、ペットボトルの製造販売事業者で構成されているペットボトルリサイクル推進協議会の公表資料によると、国内における2020年度の年間実績で、ペットボトルの販売量は約55万1,000トン、リサイクル量は約48万8,000トン、リサイクル率は88.5%であり、多くはシートや繊維にリサイクルされており、ペットボトルにリサイクルされているものの割合は約2割となっている。なお、回収されたペットボトルのうち、約半分は市町村、残りの約半分は事業者により回収されたものとなっている。
大森委員 ボトルtoボトルを試行実施するとはどういうことなのか尋ねる。また、ボトルtoボトルリサイクルを始めるに当たり、市民がペットボトルを出すときの出し方が変わるのかどうか尋ねる。
環境局長 ボトルtoボトルリサイクルについては、ペットボトルのリサイクルの状況や、リサイクルルートの安定的な確保等を検証する必要があることから、市が回収したペットボトルの半分程度を対象に試行的に実施するものである。また、この事業は、市が各家庭から回収した後のペットボトルの処理方法を変更するものであり、市民のペットボトルの排出方法を変更するものではない。
大森委員 それでは、ボトルtoボトルリサイクルにはどういったメリットがあると考えているのか尋ねる。
環境局長 ボトルtoボトルリサイクルは、使用済みペットボトルを原料として新たなペットボトルを製造することで、ペットボトルの製造工程における化石由来資源の使用削減につながることから、効果的な資源循環の手法であると考えている。また、回収したペットボトルが再びペットボトルに生まれ変わるという分かりやすさがあり、市民に適正分別を啓発する際の事例として活用していきたいと考えている。さらに、近年、飲料メーカーのリサイクルペットボトル導入に向けた取組の推進により、ペットボトルの需要は高まっていることから、ペットボトルの売却価格については、これまでと同程度かそれ以上となることを見込んでおり、財政的なメリットもあると考えている。
大森委員 新たな化石由来資源の使用削減につながるとのことだが、これまでもペットボトルから繊維などにリサイクルされていたことを考えると、全体として捉えて本当に資源の使用削減となるのか疑問もあるが、市の考えを尋ねる。
環境局長 ペットボトルから食品用トレイなど、他の製品へのリサイクルについては質の劣化を伴い、最終的には廃棄されるものが多くなるのに対し、ボトルtoボトルリサイクルは繰り返し再生利用が可能であり、一般的には化石由来資源の使用削減効果が大きいとされている。今後、試行実施を行う中で、ボトルtoボトルリサイクルのメリットを市民に具体的に示すことができるよう、効果の検証に取り組んでいく。
大森委員 脱炭素の観点から、メリットがあるのかどうかについてもしっかりと検証されたい。プラスチックのリサイクルを進めるためには、現在、本市が家庭ごみとして分別収集しているペットボトルだけでなく、容器包装プラスチックや製品プラスチックについても一括して回収することが望ましいと考えるし、また、それが国が進めようとしている方向性でもある。先ほど、容器包装プラスチックのリサイクルは様々な課題があるとの答弁があったが、本市は家庭ごみを夜間収集しているという特徴もある中、今後、家庭ごみ収集にプラスチックごみの分別を導入するとしたら、どのようなことを検討していかなければならないのか尋ねる。
環境局長 プラスチックごみの分別を導入するとした場合に必要となる検討事項としては、分別収集の対象となる物の選定、夜間戸別収集を実施している中での収集運搬体制の構築、選別、圧縮梱包施設の整備、リサイクルルートの確保などが考えられる。
大森委員 分別の導入には検討すべき事項が多いと思う。しかしながら、プラスチックのリサイクルを進め循環型の社会をつくるためには、将来的には分別の導入を検討することは避けては通れないものと思う。来年度はモデル事業から着手するとして、その後も着実に前に進めていく必要があると思うが、モデル事業を実施した後の展開についてどう考えているのか尋ねる。
環境局長 モデル事業においては、製品プラスチックの回収状況やリサイクルの状況等を確認した上で、回収品目の拡大など、その後の回収方法について検討していく。また、プラスチックの分別収集については、モデル事業で得られた知見を踏まえ、効果的な回収、リサイクル体制の構築に向け、収集運搬業者をはじめ関係事業者の意見も聞きながら、課題の整理や方向性の検討を行っていく。
大森委員 収集の現場を熟知している関係事業者の意見も十分に聞きながら検討を進められたい。また、プラスチックの分別を導入するとした場合は、市民生活にも影響を及ぼすことから、市民にも丁寧に説明を行ってもらいたい。本市は、2040年度温室効果ガス排出量実質ゼロを目指すというチャレンジ目標を掲げており、プラスチックごみの削減は温室効果ガスの削減にもつながることから、このプラスチックごみ対策の検討にもスピード感が求められている。循環型社会の推進だけではなく、脱炭素社会の実現のためにも、プラスチックごみ削減につながる取組を、強い決意を持って推し進めていく必要があると考えるが、このことについての市の考えを尋ね、この質問を終わる。
環境局長 本市においては、人と環境に優しい持続可能な都市を目指し、環境負荷を軽減し、都市の発展を持続させる、福岡式循環型社会システムの構築に取り組んでいる。プラスチックごみの削減は、循環型社会の推進だけではなく、脱炭素社会の実現の観点からも不可欠であり、分別回収は重要な取組の一つと認識している。資源の循環的利用を推進し、温室効果ガスの排出量削減をより効果的に進めるためにも、本市に適した回収、処理体制の構築に向け、スピード感を持って、課題の整理や方向性の検討を進め、持続可能な社会を実現し、安全、安心な生活環境を将来へ引き継いでいく。
大森委員 次に、教員不足について質問する。先日、全国の教員採用試験の実施状況と教員不足等の状況について、文部科学省の調査結果が報道された。その中で、正規教員を目指す受験者が減少していることに加え、令和3年度当初、全国で2,500人を超える教員不足が発生していることが大きく取り上げられるなど、教育環境は厳しさを増している。また、社会の在り方が劇的に変わるとともに、新型コロナウイルス感染拡大など、先行き不透明な、予測困難な時代ともなっている。その中でも、一人一人の児童生徒が多様な人々と協働しながら豊かに人生を切り開き、持続可能な社会のつくり手となるためには、令和の日本型学校教育として、全ての子どもたちの可能性を引き出す個別最適な学びと協働的な学びを実現する必要がある。そして、その実現のためには、教員を確実に配置し、子どもたち一人一人へきめ細かな指導を行う環境をつくることが最も重要である。今後の教員の確保に係る取組を教育委員会として積極的に進めることを求め、質問する。そこで、まず、文部科学省の教員不足の調査について、今回初めて実施したとのことだが、その目的と概要を尋ねる。
教育長 文部科学省の調査は、教員不足に関して全国的な実態を把握することを目的として行われたもので、全国の都道府県、政令指定都市の教育委員会に対し、教職員定数の基準日となる令和3年5月1日時点においての教員不足の実態や原因などを調査したものである。なお、当該調査における教員不足とは、学校に配置することとしている担任以外の教員を含む教員数に対し、講師の確保ができずに欠員が生じる状態とされている。
大森委員 次に、調査結果について、本年度5月1日時点の全国の小中学校の教員不足数について尋ねる。
教育長 全国の教員不足数は、小学校が979人、中学校が722人となっている。
大森委員 本市及び本市と北九州市を除く県域について、小中学校の学校数と、本年度5月1日時点の教員不足数について尋ねる。
教育長 本市の学校数は、小学校が144校、中学校が69校、県域の学校数は、小学校が441校、中学校が205校となっている。また、それらの学校のうち、教員不足数については、本市は、小学校ではゼロ、中学校が19人、県域は、小学校が69人、中学校が59人となっている。
大森委員 教員不足について、県は大変厳しい状況であり、本市についても、県ほどではないにせよ、やはり厳しいと言わざるを得ない。改善のための取組を進めていく必要があるが、そのためには原因を把握することが重要である。教員不足が発生した原因について、本市としてどのように捉えているのか尋ねる。
教育長 教員不足は、大量の定年退職により大量採用が必要なことや、児童生徒数の増に伴う通常学級や特別支援学級の増加、産休、育休取得者の増などにより必要な教員数が増加する一方、教員の志願者が減少していることなどが原因と考えている。
大森委員 特別支援学級が増加しているとのことだが、直近3年間の推移を尋ねる。
教育長 特別支援学級数の推移は、令和元年度が453学級、2年度が505学級、3年度が568学級となっている。
大森委員 特別支援学級の増加が顕著であるが、小中学校で特別支援教育に携わる特別支援学級や通級指導教室の担当教諭について、特別支援学校に配置する教諭と比較し、資格や専門性に差があるのか尋ねる。
教育長 特別支援学校に配置する教諭は、平成14年度実施の採用試験から、特別支援学校教諭の免許状の保有を受験資格とするとともに、法令に基づき当該免許状保有者の配置を行っている。特別支援学級及び通級指導教室の担当教諭は、法令に規定はないが、特別支援教育推進のため、特別支援学校教諭の免許状を保有した教員の配置に努めるとともに、新たに担当となる全ての教諭を対象として、専門性向上のため、特別支援教育に関する研修を行っている。
大森委員 特別支援学級や通級指導教室についても、特別支援学校と同様に、特別支援教育の専門性のある教諭の配置が必要である。引き続き、研修の充実などにより専門性の向上に努めるとともに、特別支援学校教諭免許状を保有する教員の配置を推進するよう求めておく。教員採用について、近年、大量採用を行っているとのことだが、10年前の平成23年度、5年前の28年度、そして令和3年度の小中学校合計の採用者数を尋ねる。
教育長 小中学校の教員の採用者数は、平成23年度が234人、28年度が259人、令和3年度が474人となっている。
大森委員 教員採用者について、10年前と比較して大きく増加しているが、本市の今後の教員採用者数の見込みを尋ねる。
教育長 教員の採用者数は、児童生徒数の推計や退職予定者数などを踏まえ、必要な人数を毎年度見込んでおり、今後数年は、令和4年度の採用予定者数と同程度の採用が必要になるのではないかと考えている。
大森委員 大量採用に伴い、少なくともしばらくは産休、育休取得者の増加が見込まれることから、今後も教員不足の状況は厳しさを増すと考えられるため、対応策を検討し、着実に実施することが必要だと考える。教員不足への対応として、確実な配置とともに質の確保も重要な課題であるが、本市及び県について、教員採用における過去3年間の小中学校合わせたところでの競争倍率について尋ねる。
教育長 競争倍率は、試験実施年度で答弁すると、本市が、令和元年度3.8倍、2年度2.2倍、3年度2.0倍となっている。また、県が、令和元年度2.0倍、2年度1.9倍、3年度1.7倍となっている。
大森委員 教員不足と同様に、本市についても、県ほどではないにせよ、やはり厳しいと言わざるを得ず、一つの自治体の個別の問題ではないことが分かる。競争倍率減少の原因について、本市としてどう分析しているのか尋ねる。
教育長 競争倍率は、受験者数の減と採用者数の増の両面から低下している。まず、受験者数の減について、文部科学省は、全国的な大量退職に伴い、多くの講師が正規採用されることで、既卒の受験者が減ってきていること、併せて、教員について、長時間勤務などにより、社会的役割の重要性に比して、魅力的な職業としての認識が必ずしも十分ではないことに言及しており、本市も同様の状況にあると考えている。また、採用者数の増については、大量退職や児童生徒数の増に加え、特別支援学級の増などが原因と考えている。
大森委員 来年度以降、教員不足への対応として、質の確保を図りながら確実な配置を行うため、教育委員会としてどう取り組んでいくのか尋ねる。
教育長 教員不足への対応は、短期的には、学生や講師を対象とする新たな選考制度を導入し、実践力の高い優秀な人材の確保を図るとともに、引き続き指導力の高い教員OBの活用を図っていく。中長期的には、教員志願者の増加に向けて、教員が働きやすい職場環境づくりや、高校生を対象に、教員の魅力を理解してもらうようなPRに取り組んでいく。
大森委員 厳しい競争倍率の中、採用する教員の質の確保に向け、教員採用試験において新たな選考制度を導入するとのことだが、その具体的な内容を尋ねる。
教育長 令和4年度の新たな選考制度は、まず、教員養成に係る連携、協力協定を締結した大学の学生を対象として、教育実習の学校長評価や大学からの推薦に基づく特別選考を実施する。あわせて、本市の講師を対象として、勤務校における評価に基づく特別選考を実施する。これらの新たな特別選考制度の導入により、人物重視の選考をさらに推進し、より実践力の高い優秀な人材を確保する。
大森委員 大学との連携を進めているようだが、採用選考以外で連携している主な取組を尋ねる。
教育長 大学との連携としては、即戦力の人材となるよう、ICT能力をはじめ、必要な資質能力を在学時に養成するため、指導主事等を大学へ派遣し、学校現場の実態を踏まえた講義を実施している。また、大学から派遣される学生を学生サポーターとして学校で受け入れ、教育活動に参加してもらうことで、学校教育の活性化とともに教員を目指す学生の資質、能力の向上を図っている。
大森委員 教員不足解消に向けた取組として、大学と連携し、教員採用について、より人物重視の選考を進めること、即戦力となる人材を養成すること、そして、資質、能力を向上させることが重要である。引き続き取組を進め、厳しい競争倍率、教員不足の中でも、子どもたちのため優秀な人材をしっかりと確保、養成されたい。子どもたち一人一人へきめ細かな指導ができるよう、教員について確実な確保とともに、配置拡充が必要であると考えるが、令和4年度はどのように取り組むのか尋ねる。
教育長 令和4年度の教員配置は、国の学級編制の標準の改定などによる定数増のほか、市独自に30人の非常勤講師を新たに配置し、学校体制の充実を図る。教職員定数の充実については、引き続き国に要望していく。
大森委員 教職員定数の充実は重要であり、国への改善要望について、しっかりと継続して行うよう求める。また、年々競争倍率が減少する中、質の高い教員を確保するには、教員にとっての働きやすい職場環境づくりも重要である。具体的には、教員が仕事と家庭を両立させ、学校が働きやすい職場となるよう、働きながら出産や育児等がしやすい環境整備などを図ることが必要である。そして、本来、教師の業務で大切なことは、授業の準備や子どもと向き合い、きめ細かな指導を行うことである。その時間を確保するため、事務作業や保護者対応など、必ずしも教員が行う必要がない業務の負担を軽減し、子どもへの指導に専念できる環境を整備することが重要である。令和4年度において、教員の負担軽減に向け、どのような取組を予定しているのか尋ねる。
教育長 教員の負担軽減は、これまでも校務支援システムの導入などのICTの活用、スクールカウンセラーなどの専門スタッフの配置や拡充、給食費の公会計化や共同学校事務室による学校事務の一部集約化、自動音声メッセージ機能つき電話の整備など、様々な取組を進めてきた。令和4年度は、部活動指導員やスクール・サポート・スタッフなどの専門スタッフのさらなる拡充を行うとともに、学校の庶務事務の効率化を図るシステムや、高校における校務支援システムの導入などを行うこととしている。
大森委員 教員の負担軽減のため様々な取組を行うということだが、今後も積極的に進められたい。また、来年度、専門スタッフの拡充を行うとのことだが、多様な専門スタッフの配置を進め、それぞれの専門性を生かして、業務を連携、分担していくことが特に重要と考える。子どもや保護者の相談に応じるスクールカウンセラーや、教育と福祉をつないで子どもを支援するスクールソーシャルワーカーが教員と連携協力し、個別の児童生徒の状況に応じてチームで支援していくことについて、さらなる推進を期待する。引き続き、あらゆる手だてを尽くし、学校の働き方改革を推進し、働きやすい環境をつくってもらいたいと考えている。なお、教員を含む地方公務員について、令和5年度から定年の段階的な引上げが始まり、現在60歳のところ、最終的には65歳となる。この制度変更の教員配置に及ぼす影響も見極め、適切に対応しつつ、引き続き教員確保にしっかりと取り組むことを求める。最後に、全国的に教員不足が問題となっている中、本市としてしっかりと対応していくため、今後、より一層様々な取組を推進していく必要があると考えるが、教育長の意気込みを尋ねる。
教育長 教員の確実な確保は大変重要な課題であると認識している。教員を養成する大学とも連携しながら、教員の養成、採用について、さらに工夫するとともに、働き方改革の推進や本市の教員の魅力の積極的なPRなどを行い、質の高い教員を確実に確保できるよう、しっかりと取り組んでいく。
大森委員 全ての子どもたちの可能性を引き出す個別最適な学びと協働的な学び、その実現に向け、質の高い教員を確実に配置できるよう、積極的に取組を進めていくことを求め、この質問を終わる。最後に、子宮頸がん予防ワクチンについて質問する。予防接種法に基づいて、市町村が公費負担で実施する定期接種として、子宮頸がん予防ワクチンがある。このワクチンは平成25年4月に、予防接種法に基づき市町村が実施する定期接種の対象となったが、以降、疼痛や運動障がいなどの多様な症状が報告され、マスコミで多く報道された。このような状況を受け、厚生労働省の審議会が開かれ、副反応の発生頻度等がより明らかになり、国民に適切な情報提供ができるまでの間、定期接種を積極的に勧奨すべきではないとされ、25年6月から長期間にわたって、子宮頸がん予防ワクチンの定期接種は積極的勧奨が差し控えられてきた。それが、昨年11月に再開されることが決まり、これから接種が進んでいくものと期待しているところだが、今後、本市としてどのように子宮頸がん予防ワクチンの定期接種を推進していくのか尋ねたいと思う。まず、子宮頸がんとはどのようなもので、子宮頸がん予防ワクチンにはどのような効果があるのか尋ねる。
保健福祉局長 子宮頸がんは、女性の子宮の頸部にできるがんであり、そのほとんどが性的接触によるヒトパピローマウイルスの感染によって起こるとされている。国立がん情報センターの最新の統計によると、日本では年間約1万1,000人が罹患し、約2,900人が亡くなっている。また、子宮頸がん予防ワクチンの効果については、原因の50~70%を占める子宮頸がんを起こしやすいタイプのヒトパピローマウイルスの感染を防ぐとされている。
大森委員 子宮頸がん予防ワクチンの効果は高いと思うが、どのような人が子宮頸がん予防ワクチンの接種対象で、本市にはどのくらいいるのか尋ねる。
保健福祉局長 定期接種の対象者は、当該年度に12~16歳になる女子で、令和4年度では約3万4,000人となっている。
大森委員 多くの人が対象となっており、積極的勧奨が差し控えられている間、接種が進んでいなかったと思うが、定期接種となった平成25年度以降、本市において子宮頸がん予防ワクチンの定期接種の接種件数が一番少なかった年度と、直近3年間の件数を尋ねる。
保健福祉局長 接種件数が一番少なかったのは平成27年度の95件であり、直近3年間は、令和元年度が569件、2年度が2,873件、3年度は令和4年1月末現在の速報値で7,236件となっている。
大森委員 接種件数が落ち込んでいたようだが、令和2年度以降、件数が上向いているようである。どのような要因があるのか尋ねる。
保健福祉局長 増加の要因については、令和2年度に国の通知に基づいて、子宮頸がん予防ワクチンが公費によって接種できることや、接種について検討、判断するためのワクチンの有効性、安全性に関する情報を知らせるため、国が作成したリーフレット等を対象者及びその保護者に個別送付したことによるものと考えている。
大森委員 情報提供に取り組んだことにより、接種件数が向上したものと考えられる。今般、子宮頸がん予防ワクチンの積極的勧奨が再開されたが、その経緯と、本市ではどのように積極的勧奨を実施していくのか尋ねる。
保健福祉局長 積極的勧奨については、令和3年11月に開催された国の審議会において、最新の知見を踏まえ、改めてワクチンの安全性について特段の懸念が認められないことが確認され、接種による有効性が副反応のリスクを明らかに上回ることが認められたものであり、引き続きワクチンの安全性の評価や協力医療機関の体制強化を行っていくことなどの今後の対応の方向性も踏まえ、再開することが妥当とされたものである。これらの意見を踏まえ、国から積極的勧奨を再開する旨の通知がなされ、本市においては、標準的な接種年齢とされる当該年度に13歳になる女子に加え、これまで勧奨を行っていない、令和4年度に14~16歳になる女子に対しても、接種の予診票と啓発リーフレットを個別に送付することとしている。
大森委員 積極的勧奨が再開されることになった経緯と今後の対応が分かった。しっかりと情報提供しながら接種を推進されたいと思うが、平成25年6月から積極的勧奨が差し控えられていたため、接種機会を逃した人が多数いると思う。性的接触がウイルス感染の主な原因とされているため、年齢が高くなるにつれワクチン接種の効果は低くなるかもしれないが、個人によって状況は異なり、公平性の観点からはしっかりと接種機会を確保すべきと思う。そのような接種機会を逃した人への接種、いわゆるキャッチアップ接種についてどのように対応するのか尋ねる。
保健福祉局長 キャッチアップ接種については、令和4年度に17~25歳になる女子に対して、公平な接種機会を確保する観点から、令和4年4月~7年3月の3年間、定期接種を実施することとしている。
大森委員 キャッチアップ接種の対象者の中には、定期接種の対象期間を過ぎて、任意接種として接種を受けた人もいるようである。費用の払戻しといった対応が行われるのか尋ねる。
保健福祉局長 任意接種費用の償還払いについては、このほど国から標準的な実施方法が示されたところであり、具体的な対応について検討していきたいと考えている。
大森委員 不公平感がないよう償還払いを実施するなど、しっかりとキャッチアップ接種を進められたい。一方で、長期間にわたって積極的勧奨が差し控えられたことを考えると不安に思う人もいると思う。このような人に安心して接種を受けてもらうためには、相談支援体制や医療体制が重要である。最後に、対象者に安心して子宮頸がん予防ワクチン接種を受けてもらうために今後どのように取り組んでいくのか尋ね、質問を終わる。

~ 大森一馬 − 2022年05月23日 ~

令和4年第1回定例会(第2日)

議長(伊藤嘉人) これより本日の会議を開きます。
日程第1、議案第1号ないし議案第25号、以上25件を一括して議題といたします。
この際、委員長の報告を求めます。
議長(伊藤嘉人) 議会改革調査特別委員会委員長、大森一馬議員。
大森一馬 議会改革調査特別委員会の調査の経過について、中間報告をいたします。
本委員会は、令和元年第5回定例会におきまして、議会基本条例に関する調査及び議会改革に関する調査、以上2件を付託事項とし、14人の委員をもって設置されました。
以来、本年度は今日まで3回にわたり委員会を開き、鋭意調査を進めてきたところであります。
本日は、現在までの調査の経過について御報告申し上げます。
初めに、議会基本条例に関する調査でありますが、議会基本条例につきましては、これまでの調査の経緯を踏まえ、委員長が案文・たたき台を提示し、今後の協議の進め方について検討しました。
また、具体的調査事項でございます議会報告会、参考人招致及び公聴会の活用並びに理事者の発言権(反問権)について、他都市の規定や実施状況等に関する調査を行いました。本件につきましては、引き続き調査を進めていく必要があります。
次に、議会改革に関する調査でありますが、議場のICT化につきましては、他都市の大型スクリーン等の設置状況やタブレット端末の導入状況等に関する調査を行いました。本件につきましては、引き続き調査を進めていく必要があります。
以上、本委員会における調査の経過について主な点を申し上げ、議会改革調査特別委員会の中間報告を終わります。

~ 大森一馬 − 2022年04月21日 ~

令和3年第4回定例会(第6日)

(大森一馬) ただいま議題となっております令和2年度決算関係議案24件について、決算特別委員会における審査の経過及び結果を御報告いたします。
本委員会は去る9月3日に設置され、9月8日の委員会において正副委員長の互選を行い、その後、9月17日の委員会では決算の概要について理事者に説明を求め、監査委員から決算審査についての意見を聴取いたしました。
次いで、9月21日、22日及び24日に総会を開き、議案全般についての質疑を行い、9月27日から10月1日まで、全委員が5分科会に分かれ、鋭意審査を行いました。
各分科会における質疑、意見の概要については、既に文書をもって各委員に配付いたしておりますので、省略させていただきます。
次いで、10月6日に総会を開き、さらに質疑を行いました。
以下、総会において特に議論され、各委員から意見、要望がありました諸点について御報告いたします。
政策推進プラン、財政運営プランについては、コロナ禍で生活困窮に陥っている市民や中小企業のために思い切った財政出動の検討を行うなど、非常事態に対応するものに見直すべきとの意見。
DX推進における収入証紙の在り方については、ノンストップ行政を目指す上でも、手数料等の徴収におけるキャッシュレス決済の導入など、支払い方法を多様化させるべきとの意見。
行動制限緩和に向けたマイナンバーカードの普及促進については、より一層DXを推進し、取得勧奨を強力に進めるとともに、円滑なワクチン接種証明のデジタル発行に努められたいとの要望。
市職員の時間外勤務については、新型コロナウイルス感染症対策業務に従事する職員の負担軽減や健康保持のため、恒常化している長時間勤務の是正に努められたいとの要望。
仕事と家庭の両立については、育児休業を取得したいと考える全ての市職員が希望する日数を取得できるようにし、また、企業における育児休業の取得促進に向けて取り組まれたいとの要望。
収入未済、不用額、不納欠損のある事業及び予算と決算とで乖離のある新規事業については、市税収入が減少している状況を鑑み、各事業がどうあるべきか原点に立ち返って確認し、次年度の予算に反映させるべきとの意見。
財政運営については、過大な基金の積立てはやめるとともに、大規模な再開発事業を抜本的に見直し、生活困窮者や子ども、文化活動や事業者への支援を拡充すべきとの意見。
コロナ禍により実施時期を先送りした事業については、令和3年度または4年度に財源確保に取り組み、実施すべきとの意見。
健全化判断比率等については、必要な施策を積極的に推進しながら、市債の着実な縮減に取り組み、引き続き健全化に努められたいとの要望。
ふるさと納税については、地場産品の活用による事業者支援や体験型返礼品の充実強化に取り組むとともに、本市の事業や産品の魅力を発信するなど、他都市も参考にしながら寄附額増につなげ、財源確保を図られたいとの要望。
市民行政については、共創のまちづくりについて、自治協議会と自治会、町内会のそれぞれが抱える課題を分けて整理し、しっかり現状を把握した上で今後支援を進めるべきとの意見。
コロナ禍におけるコミュニティ支援について、公民館に一次的な市民相談窓口の機能を持たせることに加え、行政拠点機能を強化されたいとの要望。
公共施設における通信環境について、災害時に安心して情報収集を行えるなど、市民にとって使いやすいものとなるよう整備すべきとの意見。
地域交流センターについて、和白地域交流センターの施設の在り方や南区における拠点施設の整備箇所については、地域の声を丁寧に聞きながら慎重に検討されたいとの要望。
再犯防止と出所者の立ち直り支援について、犯罪や非行のない明るい社会を構築するため、保護司や協力雇用主など民間協力者の意見を反映し、具体的で実効性のある再犯防止推進計画を策定されたいとの要望。
公共施設や災害拠点病院等の機能維持、強化について、局地的豪雨など気候変動の影響を踏まえ、非常用電源の確保や受援体制の構築など、ハード、ソフトの両面から災害への備えをより強靱にすべきとの意見。
土砂災害への対応について、市民の生命、財産を守るため、適切な避難行動につながる避難情報などの周知や防災知識の普及啓発に努めるとともに、県と連携しながら擁壁の設置など対策工事に積極的に取り組むべきとの意見。
ウィズコロナにおけるスポーツの振興について、体育館等を一律に休館するのではなく、感染対策の徹底を前提に、スポーツができる環境の確保に取り組まれたいとの要望。
陸上競技の振興について、平和台陸上競技場をできるだけ長く存続させるとともに、福岡マラソンをさらに魅力的なものとするため、コースの博多駅方面への変更を検討すべきとの意見。
生理の貧困対策について、ジェンダー平等の立場から幅広い視点での対策を行うとともに、生理用品を学校などの公共施設に常備することを含め、コロナ対策としての一過性ではなく恒常的な施策とすべきとの意見。
子ども行政については、コロナ禍における生活困窮者と子どもの支援について、就労支援や居住の安定確保に向けた取組を進めるとともに、児童相談所の充実や子ども医療費、保育所などの副食費、学校給食費の無償化に取り組むべきとの意見。
児童虐待について、虐待を受けた子どもへの支援、虐待した者への指導や支援を図るとともに、家庭内の問題に早期に対応するなど、子どもを守る取組をさらに加速すべきとの意見。
放課後等デイサービスについて、利用者がより質の高いサービスを選択できるよう事業所への研修や指導に努めるとともに、事業所の情報を容易に確認できるよう取り組むべきとの意見。
乳幼児期における発達障がい児への支援について、早期支援につなげるため、乳幼児健診や療育センターでの相談、診断を拡充するとともに、受入れ幼稚園、保育所への支援や民間による児童発達支援事業所の活用など一貫した支援を進めるべきとの意見。
将来的な子どもホスピス施設設置の実現について、小児がん、小児慢性特定疾病の子どもやその家族が抱える悩みや負担を十分に把握し、社会的サポートを拡充するとともに、総合的な協力体制で支援に取り組まれたいとの要望。
教育行政については、留守家庭子ども会について、新型コロナウイルス感染症対策が求められる中、民間の放課後児童クラブも含めた感染症対策経費の追加支援や定期的な検査の実施、支援員の増員や処遇改善などを行うべきとの意見。
学校施設整備について、雨漏りやトイレ不足、給食室やPTA会議室等へのエアコン設置などの課題を解消できるよう、抜本的に予算を増額すべきとの意見。
学校施設のバリアフリー化について、階段昇降等に際し支援を要する児童生徒が在籍する学校へのスロープの整備や階段昇降車の導入などに加え、エレベーターの設置についても早急に整備を進められたいとの要望。
過大規模校対策について、地域の実情や児童数の増加の見込みなどを踏まえ、分離新設を含め対策を検討し、良好な教育環境の確保に取り組むべきとの意見。
コロナ禍における就学援助制度について、申請主義からプッシュ型の行政サービスへの理念転換を図り、デジタル技術の活用など、申請しやすい環境づくりに取り組まれたいとの要望。
市立学校における感染症対策について、感染状況を踏まえたきめ細かな対応を行い、特に配慮が必要な児童生徒が在籍する特別支援学校については、換気を補完するための空気清浄機などを設置すべきとの意見。
コロナ禍における暫定的な35人以下学級について、子どもたちが安全、安心にきめ細かな指導を受けることができるよう、令和4年度以降も継続して実施するとともに、教員が指導に専念できる環境の整備を推進されたいとの要望。
中学校部活動支援について、より専門的な技術指導による技能の向上や教員の負担軽減のため、部活動指導員を拡充するとともに、民間委託を検討すべきとの意見。
経済観光文化行政については、新型コロナウイルス感染症に伴う経済支援策について、全ての事業者が必要な支援を受けることができるよう、広報や周知に当たっては、より一層工夫されたいとの要望。月次支援金の対象者への追加支援や、売上げが大きく減少した事業者への家賃支援の対象拡大を行うなど、柔軟な支援を検討すべきとの意見。
経済の活性化について、国に最低賃金の決定方法を改めるよう求め、中小企業の給与を上げて個人消費を増やすべきとの意見。
宿泊税の活用について、税収の基金繰入れについてのルールを検討するとともに、コロナ禍の経験を踏まえ、宿泊事業者と定期的に意見交換しながら、国内外の幅広い分野におけるコンベンションの企画、誘致に取り組むべきとの意見。
ウィズコロナ時代における観光産業支援について、修学旅行の中止や延期に伴うキャンセル料を国の臨時交付金を活用し負担するとともに、令和4年度以降も修学旅行の積極的な誘致に取り組むなど、旅行業全体の活性化を図るべきとの意見。
埋蔵文化財の発掘調査について、開発事業者に求められる発掘調査費は中小企業にとって大きな負担となっているため、国に対し制度の見直しを求めるとともに、補助制度について検討すべきとの意見。
保健福祉行政については、ベンチプロジェクトについて、高齢者をはじめ誰もが外出しやすいまちづくりや観光の観点から、地域の実情に応じ工夫を凝らしながら、ベンチの設置をさらに進められたいとの要望。
周りから理解されず、原因不明の体調不良に苦しむ人への支援について、化学物質過敏症に係る診療体制の構築や相談窓口の設置、患者同士が意見交換等できるプラットフォームの構築など、積極的な支援に取り組むべきとの意見。
女性の健康づくりについて、健康診断受診率は男性に比べ低く、女性特有のがんが若い世代に増加しているため、企業等と連携して啓発に取り組み、定期的な検診等の受診を促進すべきとの意見。
市独自の新型コロナ対策について、財政調整基金を取り崩し、事業者や市民への独自給付や、保育や学童保育などにおける検査の拡充、必要な人員増などを早期に実施すべきとの意見。
新型コロナウイルスが暮らしに与えた影響について、感染症の拡大、長期化によりその影響が多岐にわたっていることから、市民の暮らしを支えるための様々な分野の取組を積極的に推進すべきとの意見。
新型コロナウイルス感染症に関する情報発信について、地域ごとのデータを細かく分析し、市民により分かりやすく伝わるよう努められたいとの要望。
住宅都市行政については、大型開発の見直しについて、ウォーターフロントネクストなどの計画は中止し、感染症対策の充実や市民の暮らし、地場経済を支援するための財政運営に切り替えるべきとの意見。
桧原桜公園について、地域のシンボルであることを踏まえ、住民の意見を聞きながら、桜の魅力が感じられる風格あるメモリアル公園として拡張整備を行われたいとの要望。
環境行政については、脱炭素社会に向けた取組について、市有施設における太陽光発電、庁用車における次世代自動車の導入、水素エネルギーの活用などをさらに推進し、市役所が率先して取組を強化されたいとの要望。
気候危機対策について、2040年度温室効果ガス排出量実質ゼロを目指すためには、全ての施策及び計画を抜本的に見直すとともに、立案段階から市民参加で実行計画をつくるべきとの意見。
ごみ減量とリサイクルについて、持続可能な社会の実現に向けて循環型社会を構築するためには、市民一人一人の意識を変えていく必要があり、さらなる啓発や官民一体となった取組を進められたいとの要望。
食品ロスの削減について、事業者単独での取組ではなく、消費者の意識を高め、市内全域で共通の取組につながるような対策に取り組まれたいとの要望。
道路下水道行政については、国道3号博多バイパスの立体化について、空港周辺地域が抱える交通課題の解決に寄与することから、事業化に向けて地域への丁寧な説明を行い、国と協力し推進されたいとの要望。
横断歩道接続部におけるバリアフリー化について、視覚障がい者団体と協議を行いながら、地域住民との合意を得た場所で段差解消の試験施工を行い、誰にとっても通行しやすくなるよう取り組まれたいとの要望。
横断歩道や交差点のそばにある危険なバス停について、市民の安全確保のため、バス事業者や県警などと連携し、バス停の移設やガードレールの設置など、スピード感を持って対策を講ずるべきとの意見。
都市計画道路海の中道海浜公園線について、物流事業者の負担軽減や地域住民の交通安全確保、幹線道路ネットワーク形成の観点から早期に整備されたいとの要望。
消防行政については、地域と一体となった消防団の在り方について、地域住民の安心、安全のため活動している消防団が団員数の減少により危機的状況にあることを踏まえ、より活動しやすい環境を整えるとともに、新たな団員確保の取組を進められたいとの要望。
水道行政については、コロナ禍や気候変動の影響下における水道事業について、福岡都市圏にとどまらず、県全体での効率的な事業運営に努め、安全で良質な水道水を将来にわたり市民に確実に届けられたいとの要望。
海水淡水化センターについて、気候変動の影響による水不足のリスクを考慮し、施設の役割と必要性を踏まえた上で、より効果的、効率的な運用に努め、水の安定供給に取り組まれたいとの要望。
以上のように、議案全般についての質疑を終了し、10月7日の本委員会において、各派代表による意見開陳を行い、続いて採決を行った結果、議案第168号ないし議案第191号、以上24件について、全会一致または賛成多数をもって、いずれも認定または可決すべきものと決しました。
以上、審査の経過及び結果を述べてまいりましたが、理事者におかれましては、本委員会において表明された各委員からの意見、要望などに十分留意され、厳しい財政状況の中で、今後とも行財政の見直しを進め、経費の削減と効率的な執行に努められますとともに、市民サービスの向上のため、市政全般にわたって、なお一層の努力を傾注されますよう要望いたしまして、報告を終わります。

~ 大森一馬 − 2021年12月08日 ~

令和3年第4回定例会(第4日)

大森一馬 私は自由民主党福岡市議団を代表して、福岡市中央卸売市場食肉市場について、脱炭素について、無電柱化の推進について、以上3点についてお尋ねいたします。
 まず、福岡市中央卸売市場食肉市場についてお伺いいたします。
 福岡市中央卸売市場は、我々福岡市民の生活に欠かせない、鮮魚、青果、食肉、生鮮3品を毎日、安定的に供給するという役割を果たしている食品流通の拠点施設であります。私は、新型コロナウイルス感染症の影響が市民生活に広がっている今こそ、市民の食生活を支えている市場の役割について、目を向ける必要があるのではないかと考えています。
 中央卸売市場は、鮮魚市場が全国29都市に34市場、青果市場が38都市に50市場ありますが、食肉市場は10都市に10市場しかなく、九州では唯一福岡市だけに開場しております。このため、集荷、出荷ともに、福岡市をはじめ、周辺市町村や他県の生産者及び消費者への影響やその役割が大きい市場となっています。
 食肉市場は、大阪市、名古屋市に次ぐ全国で3番目の食肉市場として東区の箱崎に開場し、その後、現在の東浜に移転してからも年々取扱量が増加してきましたが、その反面、処理能力の限界が近づいていると聞いています。私は、今後とも食肉市場が、安定的に食肉を供給し続けてもらいたいと考えております。
 そこで、食肉市場のこれまでの経緯や取扱高の推移についてお尋ねします。
 次に、脱炭素についてお伺いいたします。
 日本もカーボンニュートラルを目指すことが表明されて以来、地球温暖化対策に関するニュースを聞かない日はありません。世界の政治や経済は脱炭素に向けて加速しており、中でも自動車をめぐっては各国が先を争って規制を強め、電気自動車への移行を早めようとしています。
 そうした中、国や福岡市はどのような方向で取り組んでいこうとしているのか、お尋ねしていきます。
 まず、福岡市域の二酸化炭素排出量の直近の数値と、これに占める主な部門別の割合をお尋ねします。
 また、福岡市は自動車部門に関しどのような目標を掲げ、これまでどのような取組を行ってきたのか、また、現在の進捗状況はどうなっているのか、お尋ねします。
 次に、無電柱化の推進についてお伺いいたします。
 9月となり、本格的な台風シーズンに入っていますが、今からちょうど2年前の令和元年の房総半島台風では、記録的な暴風雨により約2,000本の電柱が損壊し、大規模かつ長期間にわたる停電や通信障害、道路遮断が発生し、市民生活やその後の復旧活動に大きな影響を及ぼしました。近年、毎年のように市民生活に大きな被害を及ぼす台風や大雨による風水害が発生するなど、災害が激甚化、頻発化している中、災害時の電柱倒壊による道路遮断の防止や電力、通信網の切断被害の軽減を図るための無電柱化は、市民生活に密着する物流やライフラインを維持していく上で、その必要性がますます高まっていると感じています。
 そこで、福岡市におけるこれまでの無電柱化の取組状況についてお尋ねします。
 また、諸外国や他都市と比較し、福岡市はどの程度無電柱化が進んでいるのか、お尋ねします。
 以上で1問目を終わり、2問目からは発言者席にて行います。
議長(伊藤嘉人) 中村農林水産局長。
農林水産局長(中村健児) 食肉市場に関する御質問にお答えいたします。
 福岡市の食肉市場は、昭和34年9月に東区箱崎に開場し、41年後の平成12年4月に、施設の老朽化及び取扱数量の増加による施設の狭隘化などの理由により、約158億円をかけて現在の東浜へ移転いたしました。東浜へ移転しました平成12年度の取扱高は約1万6,000トン、118億7,000万円であり、令和2年度の取扱高は約2万4,000トン、264億6,000万円となっており、東京都に次ぐ全国第2位の取扱金額となっております。以上でございます。
議長(伊藤嘉人) 高田環境局長。
環境局長(高田浩輝) 脱炭素に関する御質問にお答えいたします。
 まず、福岡市域の二酸化炭素排出量につきましては、直近の数値である2019年度が569万7,000トンと推計しており、その排出量を部門別に見た割合は、多い順に、自動車部門が約32%、業務部門が約28%、家庭部門が約24%となっております。
 次に、自動車部門に関する目標等につきましては、これまで、福岡市地球温暖化対策実行計画に基づき、エコで快適に移動できるまちを将来像として掲げ、環境に配慮した道路交通施策の推進と、公共交通等の利便性向上と利用促進の取組を進めてまいりました。その成果指標の進捗状況といたしましては、新車販売台数に占める電気自動車、プラグインハイブリッド自動車、燃料電池自動車の割合が2022年度の目標値15%に対し、2019年度の実績は1.1%となっており、また、1日当たりの鉄道、バス乗車人員が2022年度の目標値120万人に対し、2019年度の実績は131万人となっております。以上でございます。
議長(伊藤嘉人) 名古屋道路下水道局長。
道路下水道局長(名古屋泰之) 無電柱化の推進に関する質問にお答えいたします。
 まず、無電柱化の取組状況につきましては、昭和61年度以降、通算7期にわたる計画に基づき、災害の防止や安全、円滑な交通の確保、景観形成、観光振興などの観点から、緊急輸送道路や生活関連経路を中心に無電柱化を進めてきたところであり、令和2年度末までに約150キロメートルを整備しております。
 次に、諸外国や国内他都市との比較ですが、国土交通省の資料によりますと、ロンドン、パリ、シンガポールといった海外の主要都市では、無電柱化率が100%となっております。また、国内におきましては、平成29年度末時点で、20の政令市及び特別区の21都市中、福岡市は上位から5番目の約3%であり、1位は東京23区の約8%、2位は大阪市の約6%となっております。以上でございます。
議長(伊藤嘉人) 大森一馬議員。
大森一馬 2問目に入ります。
 まず、福岡市中央卸売市場食肉市場についてです。
 現在の東区東浜に移転した平成12年度から令和2年度の20年余りで、食肉市場の取扱量は約50%増加し、取扱金額は約2倍となっており、大幅に取扱高が伸びております。人口増が続く福岡市にとって好ましい状況と思いますが、今後さらに取扱高が増加し、施設の処理能力が限界に達した場合、生産者の出荷を断らなければならない状況が生じてくるのではないかと危惧しています。
 中央卸売市場の食肉市場は、昭和33年から昭和50年にかけて全国10か所に開設されており、他都市においても、施設の老朽化など、課題があるのではないかと考えております。
 また、国では農林水産物の輸出促進に力を入れていますが、海外に食肉を輸出するためには、相手国が設定した施設の衛生基準をクリアしなければならず、特にアメリカ及びヨーロッパ諸国の基準はかなり厳しいと聞いております。
 そこで、近年、他都市における老朽化等による建て替えの状況はどうなっているのか、あわせて、本市の食肉市場からの輸出相手先はどこか、最も厳しいと言われているアメリカ及びヨーロッパ諸国への輸出基準を本市の施設はクリアしているのか、お尋ねします。
 次に、脱炭素についてです。
 福岡市の排出分野の1番目は自動車部門であるとのことで、重点的に取り組むべき分野だと思います。自動車分野については、これまで次世代自動車の普及、公共交通機関の利用促進、道路渋滞緩和などの取組がなされているようですが、私は今回、これまでの課題であり、今動きが著しい車両に焦点を当てて掘り下げてまいります。
 市内では多種多様な自動車が走行していますが、福岡市域における車両の保有台数につき、車種別ごとに見た構成割合と二酸化炭素の排出量から見た構成割合をお尋ねします。
 また、新車販売に占める電気自動車、プラグインハイブリッド自動車、燃料電池自動車の合計割合は1.1%ということでした。確かに、私の周りでもハイブリッド車に乗っている人は随分増えてきましたが、電気自動車がまちに増えてきたなという印象はまだありません。
 そこで、電気自動車、プラグインハイブリッド自動車、燃料電池自動車の普及が進んでいない原因をどのように分析しているか、お尋ねします。
 自動車に関しては、各国で電動化の動きが加速しています。EUは、2035年までにハイブリッド車を含むガソリン、ディーゼル車の新車販売を禁止、イギリスは、2030年までにガソリン車の新車販売を禁止し、2035年までにはハイブリッド車も禁止の対象に加える方針を打ち出しています。また、アメリカでは、カリフォルニア州が国に先駆けて、2035年までにガソリン車の新車販売を禁止することを打ち出していましたが、今年8月にバイデン大統領が、2030年までに新車販売の50%を電動車にすることを目指す大統領令に署名しています。中国も、2035年をめどに新車販売を電気自動車やハイブリッド車などの環境対応のみにする方向です。
 そこで、日本の動きですが、国はカーボンニュートラルを宣言して以降、自動車に関しどのような方針を示し、どういった取組を進めることになっているのか、お尋ねします。
 次に、無電柱化の推進についてです。
 先ほどの答弁で、通算7期にわたる計画を策定し、防災や景観の観点から整理を進めてきたということでありますが、昭和61年度から30年以上、計画を立てて取り組んでいるにもかかわらず、そもそも福岡市も含め日本全体の無電柱化が進んでおらず、諸外国と比べ大きく立ち遅れているというのが現実です。
 私はちょうど10年前、都市計画道路長尾橋本線飯倉工区の道路整備に合わせて無電柱化をすべきではないかとお尋ねしましたが、その際、市当局の答弁は「電力、通信需要が十分に見込めないため、電線管理者から応分負担はできないとの理由で今回の道路整備に合わせた無電柱化は困難である。将来、沿線のまちづくりが成熟してきた段階で、再度無電柱化について検討してまいりたい」とのことでございました。
 当時、せっかく道路を整備するならば、合わせて無電柱化を行うほうが効率的かつ効果的であると思っていましたが、コストが高いことや電線管理者との調整が難しいことなどがネックとなっていて、なかなか無電柱化ができないということが分かりました。
 その後、無電柱化の必要性や社会的機運の高まりを受け、施策を強力に進めるため、平成28年に議員立法による、無電柱化の推進に関する法律が定められ、国においても、法に基づいて無電柱化推進計画を策定し、無電柱化の推進に向けた取組が行われてきました。
 しかしながら、全国的には、依然として民地まで合わせると約3,600万本もの電柱が立っており、減少するどころか毎年7万本程度のペースで増加している状況であります。また、コストが高い、事業者との調整が困難、事業期間が長いことなど、いまだ多くの課題が残っているため、これらの課題解決に向け、国は今年5月、新たな計画を策定し、無電柱化を加速させることとしております。
 そこで、国の新たな無電柱化推進計画におけるポイントについてお尋ねします。
 また、福岡市においても、今年5月の西日本新聞や読売新聞などで、若手職員らによるプロジェクトチームが無電柱化を推進するための新たな手法を提唱したとの報道がありました。
 このチームには、行政だけではなく、民間企業である電線管理者もメンバーとして加わり、調査、検討を進めているということでしたが、福岡市無電柱化推進プロジェクトチームを立ち上げた経緯や電線管理者がメンバーに参加している理由及びプロジェクトチームが提唱した内容についてお尋ねします。
 以上で2問目を終わります。
議長(伊藤嘉人) 中村農林水産局長。
農林水産局長(中村健児) 食肉市場に関する御質問にお答えいたします。
 最初に、近年の他都市における食肉市場の建て替えの状況ですが、該当する都市としては、京都市と大阪市がございます。まず、京都市でございますが、昭和44年に開設された京都市食肉市場は、40年を経過した平成21年3月に現地建て替えとして基本構想を定め、平成30年4月に新市場として完成しております。また、大阪市でございますが、昭和33年に開設された大阪市食肉市場は、昭和59年に現在地へ移転しておりますが、その後31年を経過した平成27年1月に将来戦略プランを策定し、本年2月に現地建て替え工事に着手しております。
 次に、食肉市場の輸出相手先についてでございますが、令和2年度の実績でお答えいたしますと、マカオ、香港、タイ、ベトナムでございます。また、アメリカ及びヨーロッパ諸国が設定した輸出基準につきましては、福岡市食肉市場においては基準を満たしておりません。なお、全国の中央卸売市場の中では、京都市食肉市場が基準を満たしております。以上でございます。
議長(伊藤嘉人) 高田環境局長。
環境局長(高田浩輝) 脱炭素に関する御質問にお答えいたします。
 まず、福岡市域における保有台数ベースでの自動車の車種別構成割合につきましては、乗用車が84.0%、貨物車等が15.6%、バスが0.4%となっております。また、二酸化炭素排出量から見た車種別構成割合は、乗用車が50.0%、貨物車等が48.8%、バスが1.2%となっております。
 次に、電気自動車等の普及につきましては、国全体でも、新車販売台数に占める電気自動車、プラグインハイブリッド自動車、燃料電池自動車の割合は0.92%にとどまっており、その課題として、車両価格がガソリン車やハイブリッド車に比べて割高であること、用途に応じた車種が少ないこと、充電等のインフラ設備が充実していないことのほか、電気自動車については、1回の充電での走行距離が短いことや充電にかかる時間が長いことなどがございます。
 次に、自動車に関する国の方針につきましては、令和3年6月に策定された2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略において、乗用車については、2035年までに新車販売における電動車が占める割合として100%を目指すこと、商用車については、車両総重量が8トン以下の車は、2030年までに新車販売における電動車が占める割合を20%から30%とし、2040年までに電動車と合成燃料等の利用に適した車両で100%を目指すこと、また、8トンを超える大型車は、電動車の開発、利用促進に向けた技術実証を進めつつ、2030年までに、2040年における電動車の普及目標を設定するとされております。さらに、令和3年6月に閣議決定された成長戦略実行計画において、2030年までに急速充電設備を3万基、水素ステーションを1,000基程度設置するとされており、また、現在見直しが進められている地球温暖化対策計画の案においては、電気自動車等の購入にかかる補助制度や税制優遇を行うことが示されております。以上でございます。
議長(伊藤嘉人) 名古屋道路下水道局長。
道路下水道局長(名古屋泰之) 無電柱化の推進に関する質問にお答えいたします。
 国の新たな無電柱化推進計画におけるポイントにつきましては、新設電柱の抑制、徹底したコスト縮減の推進、事業のさらなるスピードアップの3点が掲げられており、これらの取組により、令和3年度から7年度の5年間で約4,000キロメートルの新たな無電柱化に着手することとされております。
 次に、福岡市無電柱化推進プロジェクトチームについてですが、無電柱化に要するコストや事業期間などの課題を、既成概念にとらわれない柔軟な発想で解決するため、令和2年11月に、福岡市と電線管理者の若手職員で構成したプロジェクトチームを立ち上げたところでございます。また、電線管理者の参加理由につきましては、無電柱化の課題解決には電線管理者の協力が不可欠であること、電線管理者においても共通の課題認識を持たれていたことから協力が得られたものでございます。最後に、プロジェクトチームの提唱内容につきましては、道路の縦断方向の電線類の地中化を先行して実施することで事業のスピードアップを図るファスト地中化や、工事の効率化を図る工事ヤードの常設化などとなっております。以上でございます。
議長(伊藤嘉人) 大森一馬議員。
(大森一馬) 3問目に入ります。
 まず、福岡市中央卸売市場食肉市場についてです。
 食肉市場は、現在の東浜に移転して既に20年が経過しており、施設の更新時期を迎えるとともに、今後、処理能力に不足を来してくるのではないかと考えています。
 青果市場では、東区の下原、博多区の那珂、西区の石丸の市内3か所に設置されていた卸売市場を統合し、東区のアイランドシティ内にあるみなと香椎に、平成28年2月に移転しています。新青果市場は、卸売場の84.4%を密閉式として整備するなど、高度な品質管理に対応しています。鮮魚市場では、平成27年度から高度な衛生管理体制を確立し、水産物の流通拠点としての機能強化を図るため閉鎖型卸売場棟などの整備を行っており、本年度中に完成すると聞いております。
 食肉市場では、平成12年の移転開場時から高度な衛生管理システムを備えており、卸売業者は、平成12年10月に食肉市場として日本初の品質マネジメントであるISO9001を認証取得しています。さらに、平成28年10月には食品安全マネジメントであるISO22000も認証取得し、食品製造工程の衛生管理手法であるHACCPに基づく衛生管理体制を充実させていますが、国が後押ししている輸出促進に向けた施設整備も視野に入れる時期が来ているのではないかと考えています。
 施設の整備を行うためには多額の費用が必要であることは承知しておりますが、施設を運営している卸売業者とも協議しながら、他都市の動向を含め調査し、検討を進めていただきたいと考えております。
 そこで、食肉市場については、市民へ安定的に食肉を供給し続ける重要な都市施設として、また、九州の流通拠点施設として今後も発展し続けてほしいと思っておりますが、所見をお尋ねして、この質問を終わります。
 次に、脱炭素についてです。
 日本も含め、各国で自動車の電動化の動きが活発になる中、国内自動車各社も新たな方針を打ち出しています。乗用車に関しては、トヨタ自動車は、2030年に世界で新車販売の800万台を電動車にし、うち、電気自動車と燃料電池自動車を200万台にするとの計画を打ち出し、日本においては95%を電動車にするとしています。ホンダ技研工業は、2030年にハイブリッド車8割、電気自動車と燃料電池自動車2割とし、2040年には電気自動車と燃料電池自動車を10割にするとの目標を掲げています。2024年には軽の電気自動車も投入し、ハイブリッド、電気自動車による軽自動車の電動化も進めるとしています。また、日産自動車は、2030年代早期に主力市場の日本、アメリカ、中国、欧州で販売する新型車を全て電動車にするとし、マツダは、2025年までに新たに13車種の電動車を導入し、2030年までに新車販売を100%電動車にする方針です。
 各社が電動化に向けて積極的な動きを見せていますが、脱炭素社会に到達するためには、自家用車だけでなく、公共交通、貨物車両、業務用車両までが電動車に移行しなくてはいけません。小型トラックの電動化に関しては、2022年度にいすゞ自動車が量産を開始し、日野自動車も車両の市場投入を目指すこととしていますが、現段階では、技術や製品が追いついていない車両も多数あります。
 多くの市民にとっては、電気自動車や燃料電池自動車は車種も限られており、まだまだ自分たちが使うイメージを持てないと思っていますし、事業者も、今後環境対策が求められるようになると感じる一方で、業務用の車両をどう次世代自動車に移行させていくのか、将来への漠然とした不安もあるのではないでしょうか。
 自動車の脱炭素については、市民や事業者が前向きに取り組めるようにすることが重要であると思います。
 そこで、脱炭素社会への実現に向け、福岡市は次世代自動車の普及にどのような方向性で取組を進めていくのか、お尋ねして、この質問を終わります。
 次に、無電柱化の推進についてです。
 無電柱化については、現在、国や市においてコスト縮減やスピードアップに向けた検討が進められているところですが、国の新たな計画が策定されたことに伴い、福岡市でも、令和3年度から令和7年度までの5か年を計画期間とする、次期無電柱化推進計画を今年度中に策定すると聞いております。私が先ほど述べたように、せっかく道路が整備されるのであれば、それに合わせて無電柱化を行うことは、短期的にはコストが集中するかもしれませんが、長い目で見ればコストやスピードの面で効果的だと思いますので、ぜひ長期的な視点に立って、無電柱化対象路線を選定し、腰を据えた計画を策定していただきたいと思います。
 また、次期計画の作成に当たっては、目標として計画期間内の整備延長を示されると思いますが、今後も長期にわたり事業が続いていくことを考えると、福岡市内の無電柱化率はいつまでに何%を目指すといった目標やその目標に対してどの程度進んでいるのか、市民にとって分かりやすい指標の設定も必要だと思います。
 そこで最後に、無電柱化のさらなる推進に向けどのように取り組んでいかれるのか、意気込みをお伺いして私の質問を終わります。
議長(伊藤嘉人) 中村農林水産局長。
農林水産局長(中村健児) 食肉市場に関する御質問にお答えいたします。
 福岡市の食肉市場は、市民の食生活に欠かすことのできない、安全、安心な食肉を安定的に供給するために必要な基幹施設でございます。また一方で、九州唯一の中央卸売市場であることから、多様な産地から様々なブランドの肉が集荷されており、市民をはじめ、福岡市を訪れる方々に対しても、福岡市における食の魅力を伝えるという点で大きく貢献しております。今後も、食肉市場が食肉流通の核としてその機能を十分に発揮し、生産者から選ばれ、多様化する消費者ニーズに対応できる魅力ある市場として発展できるよう努めてまいります。以上でございます。
議長(伊藤嘉人) 高田環境局長。
環境局長(高田浩輝) 脱炭素に関する御質問にお答えいたします。
 次世代自動車の普及促進につきましては、ガソリン車から電気自動車等への移行を促進するため、令和3年度は車両購入や充電設備設置に対する補助枠を令和2年度と比べ2倍以上に拡大し、車両購入補助の対象に燃料電池自動車を追加いたしております。今後さらに、市民や事業者の皆様に、次世代自動車の高い環境性能と併せて、非常用電源としての活用などのメリットについても広報、啓発を行うとともに、国の計画や今後進むと見込まれる関連技術や製品の動向を踏まえながら、車両導入に当たっての支援や充電インフラの拡充などの環境整備に取り組んでまいります。以上でございます。
議長(伊藤嘉人) 名古屋道路下水道局長。
道路下水道局長(名古屋泰之) 無電柱化の推進に関する質問にお答えいたします。
 無電柱化につきましては、災害の防止や安全、円滑な交通の確保など、市民の暮らしを守る基盤整備であり、また、良好な景観形成や観光振興の面からも重要であると考えております。このため、福岡市の次期無電柱化推進計画につきましては、国の計画やプロジェクトチームの提唱内容なども踏まえつつ、無電柱化率の目標設定について検討を行うなど、長期的な視点に立って策定いたしますとともに、新たな手法の活用により、効率的、効果的な整備を図るなど、無電柱化のさらなる推進に取り組んでまいります。以上でございます。

~ 大森一馬 − 2021年11月08日 ~

令和3年第1回定例会(第2日)

◯(大森一馬)
 少子・高齢化対策特別委員会の調査の経過につきまして、中間報告をいたします。
 本委員会は、令和元年第3回定例会におきまして、高齢化対策に関する調査、少子化対策に関する調査、以上2件を付託事項として、20人の委員をもって設置されました。
 以来、前期における少子・高齢化対策特別委員会での成果を踏まえながら、高齢化対策、少子化対策について、本年度は今日まで2回の委員会を開き、鋭意調査を進めてまいりました。
 本日は、現在までの調査の経過について御報告申し上げます。
 初めに、高齢化対策についてでありますが、令和3年度から5年度までの3か年を計画期間として策定する第8期福岡市介護保険事業計画(原案)及び福岡100プロジェクトの推進と高齢者保健福祉施策の実施状況について調査を行いました。
 本市における高齢化率は、令和元年9月末現在で21.6%であり、将来推計では7年に23.4%、22年に29.7%で、うち後期高齢者は7年に元年の約1.3倍、22年に約1.7倍となり、さらなる高齢化と後期高齢者の急増が見込まれています。また、要介護認定者数は、元年度が約6万8,000人、認定率20.3%でありますが、22年度には約12万4,000人、認定率25.9%になると見込まれています。さらに、要介護認定者数の増加に伴って介護人材の需要も増加する見込みでありますが、国の算定によると、7年度に県全体で約9,500人の介護人材が不足するとされ、要介護認定者数における割合より試算すると、本市では、同年度に約5,500人が不足するとの予測が示されました。
 介護保険制度の円滑な運営に当たり、介護保険法の改正等を踏まえながら、各種サービスの見込量などを定めるものとして策定する第8期福岡市介護保険事業計画では、高齢者が住み慣れた地域で、その有する能力に応じ、自立した生活を安心して続けることができるよう、医療や介護、生活支援等のサービスが一体的に切れ目なく提供される地域包括ケアの構築をさらに進める必要があるとの考えが示されました。また、地域包括ケアの構築に向けては、自立支援、介護予防や重度化防止を推進するとともに、生活支援コーディネーターの全市展開などの生活支援体制の整備、在宅医療、介護連携の推進、ICTやロボット等の利活用などに取り組んでいくとの報告を受けました。
 また、福岡100プロジェクトにおける高齢者関連の主な事業として、認知症フレンドリーシティ・プロジェクト、シニア活躍応援プロジェクト、福祉、介護人材の確保など、人生100年時代を見据え、誰もが健康で自分らしく暮らせる持続可能な社会の実現を目指して取組を進めているとの報告を受けました。
 超高齢社会における高齢者保健福祉施策の総合的な推進と介護保険制度の円滑な運営は重要な課題であり、高齢者と家族の実態を十分に把握するとともに、介護保険料の上昇抑制対策、現場の介護スタッフの処遇改善と人材確保、介護事業者等への支援、認知症の人が住み慣れた地域で安心して暮らせるまちづくり、地域や関係団体等との地域包括ケアの構築に向けた取組、買物や移動支援、生活交通の確保等による生活基盤づくり等について、今後とも、引き続き調査、検討を進めていく必要があります。
 次に、少子化対策についてでありますが、初めに、令和2年度から6年度までの5か年の計画である第5次福岡市子ども総合計画の概要について報告を受け、3つの目標ごとに体系化した施策のうちから、目標2、子ども・若者の自立と社会参加に焦点を当て、具体的な取組状況等に関する調査を行いました。
 本計画においては、子ども・若者の自立と社会参加のため、子どもの居場所や体験機会の充実、青少年の健全育成と自己形成支援、若者等の相談支援と居場所の充実、障がい児の支援(学童期以降)の4つの施策を推進することとしています。具体的には、放課後等における居場所の充実、子ども・若者の社会的自立に向けた取組、非行防止、若者に関する総合的な支援、連携体制の強化、中高生や若者に寄り添う居場所の充実、障がいのある子どもの社会参加に向けた相談、支援などに取り組むとの報告を受けました。
 今後とも、本計画に基づいて展開される以上4つの子ども施策について調査、検討を進めていくとともに、留守家庭子ども会の需要増加への対応、様々な体験機会の充実、子ども・若者の自己形成の支援、若者や家族に対する切れ目のない支援体制の構築、障がいのある子どもの自立を目指した支援などの課題について、引き続き調査、検討を進めていく必要があります。
 次に、令和3年度から7年度までの5か年の計画である福岡市働く女性の活躍推進計画(第2次)(案)の概要について報告を受けるとともに、主な事業の取組状況等に関する調査を行いました。
 本計画は、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づき、活力ある地域社会の実現に向けて、市域内における女性の職業生活における活躍の推進に関する施策を計画的かつ効果的に進めるために策定するものであり、現在策定中の福岡市男女共同参画基本計画(第4次)の基本目標3及び基本目標4の部分として位置づけていると説明を受けました。
 基本目標3の仕事と生活の調和が実現した社会では、仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の推進、子育て・介護支援の充実が、基本目標4の働く場において女性が能力を発揮して活躍できる社会では、働く場における女性活躍推進の支援、女性の就業・起業支援が、それぞれ施策の方向として挙げられています。
 今後、この計画に基づいて展開される女性活躍推進の施策について調査、検討を進めるとともに、男女が共に出産や育児、介護や仕事を両立するための社会、企業や家庭における環境づくり、働きたい女性がライフスタイルやライフステージに応じて多様な働き方ができるための支援などの課題についても、引き続き調査、検討を進めていく必要があります。
 以上、本委員会における調査の経過及び今後の方向性について主な点を御報告申し上げましたが、理事者におかれましては、本委員会の意向を十分尊重されるよう要望いたしまして、少子・高齢化対策特別委員会の中間報告を終わります。

~ 大森一馬 − 2021年04月23日 ~

令和2年第6回定例会(第4日)

◯(大森一馬)
 私は自由民主党福岡市議団を代表して、ひとり親家庭への支援について、野良猫問題について、国際金融センター誘致について、以上3点についてお尋ねいたします。
 まず、ひとり親家庭への支援についてお伺いいたします。
 今般のコロナウイルス禍で、ひとり親家庭を取り巻く状況は一段と厳しさを増しているところですが、国においては、今年度の第2次補正予算でひとり親家庭への臨時特別給付金が予算措置され、本市でも8月から児童扶養手当の受給者をはじめ、順次対象となるひとり親家庭に臨時特別給付金が届けられているところであります。しかしながら、現在、全国的にも新型コロナウイルス感染症の第3波の流行が押し寄せており、その終息が見通せない状況にあることから、国において、ひとり親家庭への臨時特別給付金の再支給が閣議決定されている状況です。平成28年度の福岡市ひとり親家庭実態調査では、母子家庭が2万377世帯、父子家庭が2,304世帯あり、約3万3,300人の子どもたちがひとり親家庭で養育されていると推計されていますが、2019年度の国民生活基礎調査によると、ひとり親家庭の子どもの貧困率は48.1%と、全体の子どもの貧困率13.5%に比べ著しく大きくなっており、昨今のコロナ禍により、ひとり親家庭に与える影響は今後ますます深刻な状況になりかねないと危惧しております。
 そこでまず、本市のひとり親家庭への支援内容についてお尋ねします。
 以上で1問目を終わり、以降は自席にて行います。

◯こども未来局長(久田章浩)
 ひとり親家庭への支援につきましては、日常生活支援事業などの生活支援、自立支援プログラム策定事業などの就労支援、児童扶養手当などの経済的支援、養育費確保のための支援、母子生活支援施設での支援などがございます。以上でございます。

◯(大森一馬)
 ひとり親家庭への支援は就労支援や経済的支援などを行っているとのことですが、本市のひとり親家庭の収入状況についてお尋ねします。

◯こども未来局長(久田章浩)
 福岡市のひとり親家庭の収入状況につきましては、平成28年度福岡市ひとり親家庭実態調査によりますと、平均年間収入は母子家庭が251万5,000円、父子家庭が489万5,000円となっております。以上でございます。

◯(大森一馬)
 母子家庭の平均年収は父子家庭の平均年収の約半分となっていますが、母子家庭と父子家庭の就労状況の違いが影響しているのではないかと思われます。
 そこで、本市のひとり親家庭の就労状況についてお尋ねします。

◯こども未来局長(久田章浩)
 福岡市のひとり親家庭の就労状況につきましては、平成28年度実態調査によりますと、仕事を持つ人の割合は母子家庭が86.8%、父子家庭が90.6%となっております。以上でございます。

◯(大森一馬)
 母子家庭、父子家庭ともに約9割が就労していると回答しているとのことで、就労している割合は母子家庭と父子家庭で大きな差はないことが分かります。
 それでは、母子家庭、父子家庭、それぞれの就労による手取り収入額についてお尋ねします。

◯こども未来局長(久田章浩)
 就労による1か月当たりの平均手取り収入額につきましては、母子家庭が約15万7,000円、父子家庭が約27万2,000円となっております。以上でございます。

◯(大森一馬)
 今お答えいただいたように、手取り収入では母子家庭と父子家庭で月額10万円以上もの差があります。
 それでは、母子家庭の収入は父子家庭に比べてなぜ低いのか、その要因をお尋ねします。

◯こども未来局長(久田章浩)
 母子家庭の収入が低い要因につきましては、平成28年度実態調査によると、母子家庭は父子家庭に比べ正規雇用の割合が低くなっており、このことが主な要因であると考えております。以上でございます。

◯(大森一馬)
 母子家庭は父子家庭に比べ正規雇用の割合が低いことが主な要因とのことです。
 それでは、そもそも本市にはひとり親家庭の就労を支援する施設はあるのでしょうか。

◯こども未来局長(久田章浩)
 福岡市では、ひとり親家庭の就労に関する相談や支援を行うひとり親家庭支援センターを設置しております。以上でございます。

◯(大森一馬)
 ひとり親家庭支援センターではどのような就労支援を行っているのか、お尋ねします。

◯こども未来局長(久田章浩)
 ひとり親家庭支援センターでは、専門の就労相談員による相談や、資格の取得や技能の習得に向けた各種講座の開催、自立目標や支援内容を設定し、継続的な支援を行う自立支援プログラムの策定などによる就労支援を行っております。以上でございます。

◯(大森一馬)
 ひとり親家庭支援センターで様々な就労の支援を行っていることは分かりましたが、コロナ禍の影響で就労をめぐる環境は悪化しております。今後とも、コロナ禍を見据えた就労支援の充実を求めておきます。
 次に、仕事を持つひとり親家庭にとって必要なのは、子育てと仕事の両立のための支援です。
 福岡市ではこれまで保育サービスや留守家庭子ども会など、仕事と子育ての両立支援の充実が図られてきましたが、ひとり親家庭で仕事上の都合で一時的に子どもを養育できない場合に利用できる施策はあるのか、お尋ねいたします。

◯こども未来局長(久田章浩)
 ひとり親家庭が一時的に子どもを養育できない場合に利用できる施策につきましては、支援員を派遣して生活援助や保育サービスを行うひとり親家庭等日常生活支援事業や、育児疲れや仕事上の都合などにより家庭で子どもを養育できない場合に施設等で短期間子どもを預かる子どもショートステイなどがございます。以上でございます。

◯(大森一馬)
 一時的に子どもを養育できない場合に、施設等で短期間子どもを預かる事業として子どもショートステイがあるとのことですが、子どもショートステイはどのような施設で行われているのか、お尋ねします。

◯こども未来局長(久田章浩)
 子どもショートステイにつきましては、市内3か所の児童養護施設、市内2か所の乳児院及び子ども家庭支援センターに登録している里親等に委託して実施しております。以上でございます。

◯(大森一馬)
 それでは、子どもショートステイにおけるひとり親家庭の利用状況についてお尋ねします。

◯こども未来局長(久田章浩)
 ひとり親家庭による子どもショートステイの利用状況につきましては、令和元年度に子どもショートステイを利用した児童延べ571人のうち439人がひとり親家庭の利用となっております。以上でございます。

◯(大森一馬)
 令和元年度はショートステイを利用した児童の8割近くがひとり親家庭の利用とのことですが、ひとり親家庭の利用について理由別の内訳をお尋ねします。

◯こども未来局長(久田章浩)
 ひとり親家庭が子どもショートステイを利用した理由につきましては、令和元年度では育児疲れが193人、仕事上の都合が132人、疾病が65人、出産が24人、その他が25人となっております。以上でございます。

◯(大森一馬)
 育児疲れに次いで、2番目に仕事上の都合で利用される方が多くなっていますが、具体的にはどのような場合に利用されているのか、お尋ねします。

◯こども未来局長(久田章浩)
 仕事上の都合につきましては、具体的には夜勤や出張の場合などでございます。以上でございます。

◯(大森一馬)
 子どもショートステイがひとり親家庭の子育てと仕事の両立にも一定の役割を果たしていることが分かりましたが、子どもショートステイは短期間の預かりです。
 それでは、ひとり親家庭が一定期間入所して支援を受けられる施設はあるのか、お尋ねします。

◯こども未来局長(久田章浩)
 ひとり親家庭が一定期間入所して支援を受けられる施設につきましては、生活や経済上の困難を抱える母子家庭が入所できる母子生活支援施設を市内に2か所設置しております。以上でございます。

◯(大森一馬)
 母子生活支援施設ではどのような支援を行っているのか、お尋ねします。

◯こども未来局長(久田章浩)
 母子生活支援施設では、安心して生活できる住居の提供を行うとともに、母子支援員や少年指導員が相談に応じ、個々の家庭の状況に合わせた生活支援や子どもの養育支援、自立に向けた就労支援などを行っております。以上でございます。

◯(大森一馬)
 就労先が見つかり、自立のめどが立って、母子生活支援施設を退所したとしても、生活が軌道に乗り、安定した生活を送ることができるようになるまでは時間がかかると思います。先ほどの答弁では、子どもショートステイの実施施設に母子生活支援施設は入っていませんでしたが、入所して支援を受けた施設で、退所後も子どもショートステイを利用し、引き続き支援を受けることができれば、よりスムーズに自立へとつながっていくのではないでしょうか。
 ひとり親家庭の仕事と子育ての両立のためにも、母子生活支援施設での実施を含め、子どもショートステイの受入先の拡充が必要と考えますが、今後の方向性について所見をお伺いします。

◯こども未来局長(久田章浩)
 子どもショートステイは地域の子育て家庭の育児不安や育児疲れなどに対応する在宅支援サービスであり、仕事の都合による利用も可能であることから、ひとり親家庭の仕事と子育ての両立支援にも有効な事業であると考えております。福岡市では、子どもショートステイの受入れ体制の確保に向け、令和2年度からNPOと共働して受入先を増やす取組も行っており、今後、母子生活支援施設も含め、多様な受入先の拡充を図ってまいりたいと考えております。以上でございます。

◯(大森一馬)
 ひとり親家庭の仕事と子育ての両立支援については、ひとり親家庭の自立に向け必要な支援であり、保護者の育児疲れや仕事上の都合でも子どもショートステイが今後さらに有効利用できるよう事業の拡充を求めておきます。
 最後に、ひとり親家庭が安心して生活できる環境の中で、継続的な就労による収入を得ながら、自立して安定した生活を送れることは、ひとり親家庭の子どもたちの健やかな成長につながります。そのためにも、ひとり親家庭に対するきめ細かな就労支援や生活支援を行い、生活基盤が確立し、自立できるよう支援していくことが行政の役割と考えますが、今後のひとり親家庭に対する支援について市の所見をお伺いし、この質問を終わります。

◯こども未来局長(久田章浩)
 ひとり親家庭が安心して生活し、仕事と子育てが両立できる環境を整え、自立に向けて支援を行っていくことは重要な課題であると認識しております。今後とも、ひとり親家庭の自立に向け、生活や就労などを支援する様々な施策の充実や利用促進に取り組んでまいります。以上でございます。

◯(大森一馬)
 次に、野良猫問題についてお伺いいたします。
 昔も今も変わらず、犬や猫などペットを飼う方はたくさんいるようで、最近ではペットは人に癒やしを与えてくれる存在だと言われています。近年の少子・高齢化や核家族化など家族構成の変化により、家族の一員としてペットを迎える方も多く、中でも近年は空前の猫ブームと呼ばれているようで、飼育頭数も猫が犬を上回ったと聞いています。特に現在のコロナ禍においては、ステイホームやテレワークなどで在宅時間が増えたこと、感染防止のため人に会うことが制限されたこと、また、社会的なストレスが増加したことなどにより、さらに癒やしを求めて猫を飼育しようと考える人が増えているという話も耳にします。ところが、同じ猫でも飼い主がいない猫、つまり野良猫に対する人の考え方は様々で、野良猫を助けたいと思う方がいる一方、野良猫に何度も迷惑を受けたことで、野良猫を見るだけで不快に思う方もいると聞きます。猫を助けたい方も、猫で迷惑している方も同じ地域の住民であることから、町内としても対応に苦慮していると地元の町内会長から相談を受けたことがありました。
 そこでまず、野良猫の被害に困っている場合はどこに相談したらいいのか、お尋ねします。

◯保健福祉局長(舟越伸一)
 野良猫に関する相談につきましては、福岡市家庭動物啓発センターで受け付けております。以上でございます。

◯(大森一馬)
 家庭動物啓発センターにおいて野良猫の苦情相談を受けているとのことですが、直近3年の苦情の件数とその内容をお尋ねします。

◯保健福祉局長(舟越伸一)
 苦情の件数につきましては、平成29年度は324件、30年度は319件、令和元年度は331件となっております。主な内容としましては、不適切な餌やり、ふん尿被害、臭気などでございます。以上でございます。

◯(大森一馬)
 中には感情的になられる方もいるでしょうから、相談を受ける職員の方々も大変だと思いますが、この野良猫に関する苦情相談に対して市はどのように対応を行うのか、お尋ねします。

◯保健福祉局長(舟越伸一)
 野良猫に関する相談につきましては、被害を減らすための方策として、猫の忌避剤の紹介や猫が嫌がる超音波を発生する機器の無料貸出しを行いますとともに、不適切な餌やりなど被害の原因者が特定できる場合には家庭動物啓発センターの職員が直接指導するなどの対応を行っております。以上でございます。

◯(大森一馬)
 個別の相談に対してしっかり対応していただいていることは分かりましたが、野良猫問題については住民の方が町内会長に相談されることもあり、場合によっては町内会長が対応を求められることもあります。
 そこで、町内会など地域で野良猫問題を解決する方法は何かないのか、お尋ねします。

◯保健福祉局長(舟越伸一)
 地域で野良猫問題を解決する方法といたしましては、地域猫活動がございます。この活動は、地域が主体となり、野良猫の繁殖を抑制するために不妊去勢手術を施すとともに、餌やりやトイレに関するルールを設けて管理をすることで、野良猫の頭数と苦情を減らしていく取組でございます。以上でございます。

◯(大森一馬)
 地域主体の地域猫活動で野良猫の頭数と苦情を減らすことができるとのことですが、地域が地域猫活動を始めるに当たり課題はないのか、お尋ねします。

◯保健福祉局長(舟越伸一)
 地域猫活動を始める際には住民の合意形成を図っていただくことが重要となりますが、活動に対する様々な意見があり、合意に至らない場合があるということ、また、野良猫の不妊去勢手術の費用負担についても課題となっております。以上でございます。

◯(大森一馬)
 それでは、その課題に対して市は何か対応されているのか、お尋ねします。

◯保健福祉局長(舟越伸一)
 住民の合意形成につきましては、家庭動物啓発センターが地域住民への周知や理解を得るための助言、調整を行っております。また、野良猫の不妊去勢手術につきましては、当初、原則1年間無償で実施をしておりましたが、令和元年度からは野良猫の手術が終了をしていない地域を対象に更新制度を導入し、継続して無償で不妊去勢手術の支援を行っております。以上でございます。

◯(大森一馬)
 不妊去勢手術の無償実施は効果的な支援と考えますが、野良猫に不妊去勢手術を受けさせるために地域はどのようなことを行う必要があるのか、お尋ねします。

◯保健福祉局長(舟越伸一)
 地域におきましては、不妊去勢手術を行うための野良猫の確保と運搬を行っていただくとともに、野良猫を確保するためのおりなどの機材を用意いただいております。
 なお、野良猫の確保に当たりましては、実施方法の助言や支援ができる地域猫活動経験者や動物関係団体などのボランティアを紹介いたしております。以上でございます。

◯(大森一馬)
 野良猫を確保するための知識や経験のある方が全ての地域にいるわけではありませんので、地域猫活動経験者や動物関係団体等の協力をいただけることは地域にとっても心強いものです。一方で、野良猫を確保する際の機材については、野良猫の不妊去勢手術が終了すれば使うことがありませんので、町内会ごとに用意するのではなく、市で貸し出すなどの対応を要望しておきます。
 次に、これまで市が地域に対して行ってきた地域猫活動への支援についてお尋ねします。
 支援の開始はいつからか、また、これまで支援された地域数及びその中で現在活動している地域数と活動を終了した地域数についてお尋ねします。

◯保健福祉局長(舟越伸一)
 活動への支援につきましては、平成21年度から実施をいたしております。また、令和元年度までに支援した地域は83地域で、現在も活動中の地域が39地域、活動を終了した地域が44地域となっております。以上でございます。
◯(大森一馬)
 活動を終了した地域が44地域あるとのことですが、活動を継続していくに当たって何か課題がありましたらお示しください。

◯保健福祉局長(舟越伸一)
 地域猫活動につきましては、活動者が転居するなど人手不足により活動を断念した事例もありますことから、活動者の確保が活動を継続するための課題であると考えております。以上でございます。

◯(大森一馬)
 地域猫活動を継続していくためには人手不足など課題もあるようですが、町内会においても活動の中心となる役員の方は限られており、さらに、活動に対して熱心な役員がいなくなると活動に影響することが心配されますので、活動が継続できるような仕組みづくりを考えていく必要があると思います。
 動物愛護の観点からも、野良猫を排除する方法ではなく、コントロールすることで、猫に迷惑している方と猫を助けたい方が歩み寄られることが望ましいと思いますが、この質問の最後に、地域の野良猫問題に対して市として今後どのように取り組んでいくのか、所見をお伺いします。

◯保健福祉局長(舟越伸一)
 野良猫問題につきましては、その数を増やさないよう、まずは飼い猫の適正飼育や終生飼育に関する啓発を進めますとともに、地域住民と野良猫の共生を図る活動であります地域猫活動の支援等を推進してまいります。一方で、地域猫活動につきましては、取り組むことが困難な地域があるなど課題もありますことから、他都市の動向も注視しながら、より効果的な方策について検討をしてまいります。今後とも、人と猫の調和の取れた共生社会の実現を目指して、地域、動物関係団体、ボランティアとも連携し、動物愛護と適正飼育の普及啓発に取り組んでまいります。以上でございます。

◯(大森一馬)
 次に、国際金融センター誘致についてお伺いいたします。
 8月に西日本新聞で「国際金融センター 福岡、大阪に検討」との報道がありました。私は日本で国際金融センターといえば当然東京だと思っていましたが、報道によれば、政府はこれまで東京での国際金融センターづくりを目指してきたが、金融市場の災害リスクへの対応や昨今の新型コロナウイルス感染症の流行に伴う分散化の流れを見据え、戦略を転換したとのことでした。また、アジアに目を向けると、国際金融センターの一つである香港では、6月の香港国家安全維持法の施行により、これまでの高度な自治が後退していくと予測され、国際的な金融機関をはじめとした外資系企業の人材や資本が流出する可能性が高まっていると言われています。この点からも、今、日本が国際金融センターを目指そうとすることは大変意味のあることだと考えます。しかし、国際金融センターといっても、我々の市民生活にどのように関わるのか、よく分からないというのが実情です。
 そこで、国際金融センターとは何なのか、また、福岡市は何を目指し、どのような取組をしていくのか、考え方を質問していきたいと思います。
 まず初めに、そもそも国際金融センターとはどのようなものだと認識しているのか、お尋ねします。

◯総務企画局長(龍 靖則)
 国際金融センターにつきましては、法令等の明確な定義はございませんが、金融庁の令和2事務年度金融行政方針では、世界中から金融人材、資金、情報が集積する国際金融都市という記載がございます。また、みずほ総合研究所のみずほリサーチ2007年8月号によりますと、国際金融センターは、国際金融取引が活発に行われている金融、資本市場あるいはその市場がある都市を意味するとされております。これらのことから、国際金融センターとは、金融人材や資金、情報が集積し、国際金融取引が活発に行われている金融、資本市場がある都市や地域を意味するものと理解しております。以上でございます。

◯(大森一馬)
 要するに国際金融センターは特定の建物などではなく、国際的にビジネス展開をしている銀行や証券会社、保険会社、資産運用会社などが数多く拠点を構える都市や地域のことだと理解しました。福岡市では、この国際金融センターの実現に向けて、9月に地元の産学官から成る推進体制、TEAM FUKUOKAが設立され、12月にも会合を開いたものと聞いています。今後、ここでの取組が大きな役割を果たすのではないかと考えます。
 そこで、TEAM FUKUOKAの設立の経緯とその活動状況についてお尋ねします。

◯総務企画局長(龍 靖則)
 TEAM FUKUOKAの設立経緯でございますが、政府が福岡や大阪を候補地として外資系金融機関や金融人材の誘致強化に乗り出すとの報道などを踏まえまして、地元経済界を中心に、国際金融機能の誘致に向けた機運が高まり、九州経済連合会会長、九州電力社長、福岡市長が発起人となって、9月29日に設立されたものでございます。
 次に、活動状況でございますが、TEAM FUKUOKAは産学官によるオール福岡の推進組織であり、会員が情報共有、交換を進め、それぞれの特性を生かしながら国際金融機能の誘致に向けて取り組んでいくことを目的としております。9月29日の設立以降、2回の幹事会が開催され、12月4日に開催されました幹事会では、福岡の目指す方向性や対応すべき課題、さらには、今後、各会員が目標の実現に向けて各自取組を進めていくことなどが確認されたところでございます。以上でございます。

◯(大森一馬)
 8月の報道から1か月というスピード感で、地元の名立たる企業のトップが集まってTEAM FUKUOKAを設立し、議論を重ね、先日には福岡の目指すべき方向の結論を出したというところを見ると、経済界としても、国際金融機能を誘致することの機運が高まってきているものだと思います。このような機運の高まりには期待が持てますが、世界には国際金融センターと呼ばれる都市が幾つもあります。イギリスのシンクタンクが発表している世界の代表的な指標で、国際金融センターインデックスというものがあり、これは半年に1度、世界の国際金融センターをランキング形式で発表しています。直近の2020年9月時点では1位はニューヨーク、2位はロンドン、3位が上海、4位が東京と、上位は名立たる大都市ですが、10位にスイスのチューリッヒ、24位にカナダのバンクーバー、27位にオーストラリアのメルボルンなど、福岡市と同様に、首都ではなく、また、人口規模からも大都市とは言えない都市が入っていました。しかし、福岡市は現在この指標に名前が挙がっていません。
 このような状況において、福岡市はどのような国際金融センターを目指しているのでしょうか、お尋ねします。

◯総務企画局長(龍 靖則)
 国におきましては、菅総理が、今月閉会した第203回国会の所信表明演説において世界の国際金融センターを目指すとし、報道機関のインタビューで、東京の発展を期待するが、他の地域でも金融機能を高めることができる環境をつくっていきたいと説明されております。また、イギリスのシンクタンクが発表する国際金融センターインデックスのランキングによりますと、主要国においては複数の都市がランクインしております。このような状況の中、日本が世界の国際金融センターを目指す上では、相次ぐ災害や感染症のリスクなどを考慮し、東京以外の都市においても国際金融機能を高めていくことが重要であると認識しております。
 福岡市におきましては、このような情勢を踏まえ、東京、大阪との同時被災を避けられる日本海側の拠点都市として、東アジアとの近接性や世界有数の住みやすくコンパクトな都市、国内有数のスタートアップ都市といった特性を生かしながら、先日のTEAM FUKUOKAの幹事会で確認された、資産運用業、フィンテック及びBCP対応業務といった福岡市と親和性が高い国際金融機能の集積を目指していきたいと考えております。以上でございます。

◯(大森一馬)
 今答弁いただいたように、世界の主要な国では、首都や大都市のみならず、国際金融センターと言われる都市が複数存在するようですし、近年頻発する災害やパンデミックなどのリスクを考えると、政府でも検討されているように、センター機能は一極集中ではなく、日本国内に分散して配置されることが望ましいと思います。福岡市は東京や大阪との同時被災のリスクが低く、また、何といっても東アジアに最も近い、そして、世界でも評価が高いコンパクトで住みやすい都市、このような都市の強みは国際金融機能の誘致にも生かせるということだと理解いたしました。
 しかし、市民目線で見た場合、この国際金融センターが市民生活や地域経済にとってどのような効果をもたらすのかが最も重要であります。福岡市はアジアの拠点都市を目指し、これまでも外資系企業の誘致や国際的なビジネス交流の促進に取り組んできました。これらのことは、地域経済を活性化させ、雇用や税収を確保し、最終的には市民生活の質の向上につながることから取り組んできたものだと思います。
 今回の国際金融機能の誘致は、ある意味、これまでの取組の延長線上にある外資系企業の誘致だと思いますが、国際金融機能が集積することは福岡市の地域経済にとってどのようなメリットがあるのか、お尋ねします。

◯経済観光文化局長(天本俊明)
 福岡市の地域経済へのメリットについてでございますが、福岡市では、基本構想に世界中から人、投資、物、情報、そして夢が集まる、活力と存在感に満ちたアジアの拠点都市を目指すことを掲げ、本社機能やグローバル企業などの誘致に取り組んでまいりました。国際金融機能が集積することによって、世界中から優秀な人材や資金、情報が集まることから、雇用の創出や税源の涵養などが期待されるとともに、市内スタートアップ企業の成長や地場企業の海外進出などを大きく後押しするものとなります。さらには、国際競争力がある都市として、福岡市の国内外におけるプレゼンス向上にもつながるものと考えております。以上でございます。

◯(大森一馬)
 金融庁によると、日本が国際金融センターとして確立するための強みとして、生活物価、オフィスの価格の安さ、治安のよさなどが指摘されてきた一方、弱みとして、税金の高さ、英語による行政対応等の不十分さ等が指摘されております。また、ビジネス環境の充実、教育環境や外国語対応医療機関などの生活環境の充実など、様々な課題をクリアしていかなければならないと聞いています。国際金融機能誘致を目指し、TEAM FUKUOKAが設立され、福岡市においては早速10月に外資系金融機関の日本進出をワンストップでサポートするグローバルファイナンスセンターも開設しました。このように国際金融機能の誘致に向けて関係者が少しずつ動き始めたところだと思いますが、実現に向けてはまだまだ様々な課題に果敢に挑戦していく必要があると考えます。
 そこで最後に、国際金融機能誘致に向けた福岡市の考え方や意気込みについて市長に所見をお伺いし、私の質問を終わります。

◯市長(高島宗一郎)
 福岡市はこれまで本社機能や、また、グローバル企業などの誘致を積極的に進めますとともに、スタートアップ都市として、イノベーションや付加価値を生み出す都市づくりに取り組んでまいりました。今回の国際金融機能の誘致によりまして、こうしたこれまでの取組を大きく加速させていきたいというふうに考えています。
 産官学の推進組織でありますTEAM FUKUOKAにおきましては、福岡の強み、特徴であります豊かな自然と、また、充実した都市機能というものがコンパクトに整っているという生活の質の高さ、また、優秀な理工系の学生ですとかエンジニアの集積、また、東アジアにも大変近いということ、さらには太平洋側ということで東京、大阪、こうしたところとの同時被災のリスクが低いという地理的な優位性、こうしたものが福岡の強みとして挙げられております。そして、こうした強みを生かして、必ずしも立地としてニューヨークやロンドンのような大都市に限らないという資産運用業、それから金融とITですね、これを融合したフィンテック、そして、事業継続のためのバックアップ業務の分野、これは非常に雇用効果が高い分野ですね、これらをTEAM FUKUOKAが一体となって重点的に誘致していきたいと考えております。
 国際金融機能の集積によりまして、裾野が広いビジネスの進出、そして、付加価値の高い雇用の創出というものが見込まれまして、さらに、スタートアップ企業、また、地場企業のグローバル展開などもこうした国際金融機能が福岡に集積することによって期待されるわけであります。産学官が力を合わせて国際金融機能の誘致に取り組んで、福岡市におきましてグローバルな人材が活躍し、そして、継続的にイノベーションが生まれていく、そうした国際都市を目指してチャレンジを続けてまいります。以上です。

~ 大森一馬 − 2021年02月13日 ~

令和2年第4回定例会(第4日)

◯(大森一馬)
登壇 私は自由民主党福岡市議団を代表して、出産前後の母子への支援について、DV対応と児童虐待対応について、新型コロナウイルス感染症対策に関する商店街支援について、以上3点についてお尋ねいたします。
 まず、出産前後の母子への支援についてお伺いいたします。
 近年、全国的に核家族化の進展や共働き世帯の増加が進み、地域のつながりの希薄化等により、子育てについて周りに相談したり、サポートを受けたりすることが困難な御家庭も多いなど、子どもを生み育てる環境は大変厳しいものとなっております。それを物語るように、我が国の2019年の出生数が統計開始以来、初めて90万人を割るなど、少子化は想像を超えて加速しており、安心して生み育てられる環境づくりは全国的にも喫緊の課題となっております。妊産婦、特に出産前後は身体的に大きな変化があるだけでなく、妊娠、出産に伴う女性ホルモンの大きな変化により、一生の中でも鬱病になりやすい時期と言われるなど精神的にも非常に不安定な状況にあります。鬱病が重症化すると、児童虐待や育児放棄、最悪の場合には母親の自殺、あるいは子どもの虐待死に至るおそれがあります。
 国による子ども虐待による死亡事例等の検証結果に関する直近の調査によりますと、平成29年度に発生または表面化した心中以外の虐待死亡事例のうち、ゼロ歳が53.8%、そのうち約8割を4か月までの乳児が占めるなど、新生児、乳児への虐待が深刻な状況となっています。また、心中以外の虐待死亡事例のうち、地域社会との接触がほとんどない、あるいは乏しいという事例が6割以上という報告もなされています。ほかにも、国内における調査によりますと、妊産婦の死亡原因の第1位は自殺で、そのうち産後の症例の半数に鬱病またはその合併症があったという調査結果があります。
 以上のように、児童虐待の発生や母親の自殺を未然に防ぐためには、出産前後の母子に対して様々な関係機関が連携した支援がますます重要となっております。
 それではまず、妊娠期の支援について、また、産後早期の支援について、福岡市では近年どのような取組を行ってきたのか、お尋ねします。
 次に、DV対応と児童虐待対応についてお伺いします。
 家庭における夫婦などパートナー間の暴力、いわゆるDVは身近に起きている深刻な問題であり、平成30年度に内閣府が発表した調査結果では、女性の3人に1人、男性の5人に1人が配偶者からの暴力被害経験があると回答しています。また、令和元年の全国のDVに関する警察への相談、通報件数は8万2,207件と、平成13年のDV防止法の施行以降、過去最多を更新しました。同じく警察からの児童相談所に対する児童虐待通告も全国で9万8,222人と過去最多を更新しており、その中でも心理的虐待が全体の約7割を占め、心理的虐待の中では約4割が子どもの前で両親が暴力を振るったり、暴言を吐いたりする面前DVとなっています。
 DV家庭においては、子どもが虐待を受けるケースが多く見られ、たとえ子ども自身が直接の暴力を受けなくても、両親のDVを目撃することにより心理面や脳の発達に影響があるという研究もあるそうです。現在、DVへの対応はDV担当部署、児童虐待への対応は児童虐待担当部署がされていると思いますが、子どもがいるDV家庭の場合にはDV対応と児童虐待対応との連携が重要です。
 そこでまず、福岡市のDV相談窓口とそれぞれの窓口での過去3年間のDV相談件数、こども総合相談センターにおける面前DVの過去3年間の虐待相談対応件数についてお尋ねします。
 また、DVや面前DVの相談や通告があった場合、現在、どのような支援や対応をされているのか、お尋ねします。
 次に、新型コロナウイルス感染症対策に関する商店街支援についてお伺いします。
 4月7日に緊急事態宣言が発出され、市民の皆様に外出自粛に御協力いただいたことや、各御家庭での手洗い、うがいの実施、また、事業者による休業や時短営業への御協力、感染症対策の徹底など、まさに福岡市民一体となり行動したことにより、5月14日に緊急事態宣言は解除となりました。しかしながら、北九州市においては、感染拡大の第2波とも考えられる状況が発生しており、ようやく緊急事態宣言が終わり、新しい生活の一歩を踏み出した矢先、北九州市の市民生活に再び影響が出ています。これは福岡市においても起こり得る事態であり、引き続き新型コロナウイルス感染症を念頭に置いて、外出時のマスク着用、ソーシャルディスタンスの確保、小まめな消毒などを徹底、継続していきながら、日常生活や経済活動を行っていく必要があります。
 今回の休業要請などにより、全国的に経済活動が受けた影響は計り知れません。今後の経済活動を再び活性化させていくためにも、事業者の方々へ向けた支援は継続していく必要があります。経済の冷え込みについては、中小企業の方はもちろんですが、市内の商店街についても状況は同じです。市民の外出自粛などにより商店街を訪れる方が減少し、商店街の皆さんにとっても大変厳しい状況となっています。特に商店街については、高齢の方が多く訪れる場所であり、大きな影響を受けていると感じています。市内の商店街はこれまで買物の場を提供するとともに、地域のコミュニティの担い手として、地域住民の暮らしを支える重要な役割を担ってこられました。このように、地域にとって重要な役割を果たしている商店街に対する福岡市の支援策についてお尋ねします。
 まず初めに、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、市内の商店街がどのような影響を受けたのか、福岡市として把握しているか、お尋ねいたします。
 福岡市ではこれまで、新型コロナウイルス感染症対策への独自支援策として、事業者の方へ向けた家賃支援など様々な支援策を実施されていますが、現在、福岡市の商店街に対する支援策として実施されている地域を支える商店街支援事業について支援の概要をお尋ねします。
 以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。

◯こども未来局長(久田章浩)
 出産前後の母子への支援についてお答えいたします。
 妊娠期の支援につきましては、平成29年7月に各区に子育て世代包括支援センターを設置し、妊娠届出の際に全ての妊婦の方と面談を行い、支援が必要な妊婦の方には関係課が連携して支援しております。具体的には、電話による状況確認や医療機関への情報提供、保健師による家庭訪問、養育面や経済面での相談、助言などを行っております。また、妊婦健康診査につきまして、14回分を公費負担とするとともに、産科医療機関からは健診などの機会に把握した支援が必要な妊婦の方について、居住する区の子育て世代包括支援センターに情報提供をいただき、関係機関と連携した支援を行っております。
 次に、産後早期の支援につきましては、平成27年度から、助産師等の専門職が乳児のいる全ての家庭を訪問する乳児家庭全戸訪問事業を実施しております。また、平成28年度からは、産科医療機関などで授乳や沐浴のアドバイスや育児相談、母体の体調管理を行う産後ケア事業、ヘルパーを派遣し、家事や育児の援助を行う産後ヘルパー派遣事業を実施しております。さらに、令和2年度からは、新たに産婦健康診査事業を実施する予定でございます。
 次に、DV対応と児童虐待対応に関する御質問にお答えいたします。
 まず、福岡市のDV相談窓口でございますが、7区の保健福祉センター、配偶者暴力相談支援センター、男女共同参画推進センター・アミカスの合計9か所となっております。それぞれの相談窓口での過去3年間のDV相談件数につきましては、7区の保健福祉センターにおいては、平成29年度2,605件、30年度2,312件、令和元年度2,142件、配偶者暴力相談支援センターにおいては、平成29年度389件、30年度384件、令和元年度345件でございます。こども総合相談センターにおける過去3年間の面前DVの虐待相談対応件数につきましては、平成29年度583件、30年度733件、令和元年度818件でございます。
 次に、DVや面前DVの相談や通告があった場合の支援や対応についてでございますが、配偶者暴力相談支援センターや各区の保健福祉センターなどの関係機関が連携して、相談対応、保護、自立支援など被害者の方の立場に立った切れ目のない支援に取り組んでおります。具体的には、離婚等を含め、法的な支援の必要のあるDV被害者については弁護士による法律相談につないでおり、身体、生命に危険がある場合などには一時保護を行っております。また、各区保健福祉センターにおいて、住居、就業等の施策についての情報提供や、児童福祉、ひとり親福祉、医療保険、生活保護等の各種制度を活用した自立支援を行っております。
 次に、面前DVの通告があった場合につきましては、児童の安全確認を行うとともに、児童の面前で暴力行為を行うことは心理的虐待であることを保護者が理解されるよう必要な指導を行っております。また、必要な場合には、DV被害者である保護者に対し、DV相談窓口を紹介いたしております。以上でございます。

◯市民局長(下川祥二)
 DV対応と児童虐待対応に関する御質問にお答えいたします。
 福岡市男女共同参画推進センター・アミカスにおいて、女性に関する様々な問題に対して相談を受けており、そのうち、DVに関する相談件数については、平成29年度が609件、30年度が673件、令和元年度が699件となっております。
 次に、アミカスにおけるDVに関する相談につきましては、法的な支援が必要な場合は弁護士による法律相談におつなぎするとともに、一時保護や自立支援が必要な場合はお住まいの区の保健福祉センターや配偶者暴力相談支援センターへおつなぎしております。以上でございます。

◯経済観光文化局長(天本俊明)
 新型コロナウイルス感染症対策に関する商店街支援についての御質問にお答えします。
 まず、商店街への影響につきましては、4月に実施した市内商店街へのアンケートによりますと、回答いただいたほとんどの商店街から、訪れる人が減少した、加盟店舗などの売上げが減少したとの回答を得ております。また、緊急事態宣言が解除された5月14日以降は商店街を訪れる人の数は徐々に回復傾向にあるとの声を聞いているところでございます。
 次に、地域を支える商店街支援事業の概要につきましては、市民が安全に商店街の加盟店を利用していただくことで地域を支える商店街を身近に感じてもらい、継続的な利用につなげるため、商店街が取り組む感染症対策やテークアウト、デリバリー、キャッシュレス等の促進を支援するものでございます。以上でございます。

◯(大森一馬)
 2問目、出産前後の母子への支援についてお尋ねします。
 新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う緊急事態宣言の発出などにより、子どもや家庭をめぐる生活環境は大きく変化しました。現在、緊急事態宣言は解除されたものの、移動の際の感染に対する不安から里帰り出産もできず、周りに頼れる人がいない中で、出産前後の不安な時期を過ごさなくてはいけない状況も出てきております。さらに、乳幼児健診やマタニティスクールなどの休止もあり、一体どこに相談すればいいのかと、妊産婦や子育て家庭の不安感は一層高まっております。
 そこで、新型コロナウイルス感染症の感染への不安や外出自粛により、妊婦健診の受診控えなど影響が出ているのか、お尋ねします。
 次に、里帰り出産ができず、周りからの支援が得られない妊産婦がいると思われますが、産後ケア事業、産後ヘルパー派遣事業は現在も利用できる状況にあるのか、お答えください。
 また、妊産婦が不安を抱え込まないよう相談できる場を確保する必要があると思われますが、今回の新型コロナウイルス感染症の拡大に際してどのような支援を行っているのか、お尋ねします。
 次に、DV対応と児童虐待対応についてお尋ねします。
 新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のための外出自粛などにより、自宅において家族だけで過ごす時間が増えるなど市民の生活環境は大きく変化しました。外出制限等の措置が取られている諸外国においては、DV相談が増えているとの報道があっており、生活不安やストレスからくるDV被害や児童虐待のリスクの高まりが懸念されているところです。外出自粛や在宅勤務などにより加害者が在宅していることで、DV被害を受けている方が相談につながりにくい、また、学校の休校や保育園等の登園自粛などにより、子どもに関わる関係機関が虐待に気がつきにくいといった課題があります。
 そこで、この間、福岡市ではどのような対応がなされていたのか、お尋ねします。
 次に、新型コロナウイルス感染症対策に関する商店街支援についてです。
 緊急事態宣言や休業要請が解除となった現状におきましては、新型コロナウイルス感染拡大の第2波、第3波を警戒しながらも、商店街においても感染症対策を十分に行った上で安全性を市民にPRして、安心して利用してもらうことが必要であると考えます。そして、今後、新型コロナウイルス感染症が収束していけば、市内の経済を地域から再び活性化させていくためにも、地域を支える身近な商店街をより多くの人に利用してもらうような積極的な取組に転じる必要があると感じています。今回の補正において、我が会派が要望していた商店街プレミアム付商品券事業に福岡市が取り組むことについては高く評価しているところです。
 しかしながら、今後も、いわゆるウィズコロナ、アフターコロナを意識した商店街の取組を中長期的に支援していく必要があると考えますが、福岡市として商店街への支援を含む今後の経済対策について所見を伺います。
 以上で2問目を終わります。

◯こども未来局長(久田章浩)
 出産前後の母子への支援についてお答えいたします。
 妊婦健診の受診状況につきましては、令和2年2月から4月までの受診者数は延べ3万9,790人で、昨年同期間の4万252人と比較して、4月末時点で大きな変化は見られておりませんが、その後の受診者数の推移も確認しながら、子育て世代包括支援センターにおける電話での状況確認、助言や家庭訪問による支援を適切に実施してまいります。
 次に、産後ケア事業、産後ヘルパー派遣事業につきましては、育児の負担や不安を軽減することを目的に実施しており、新型コロナウイルス感染症による影響で里帰り出産ができないなどの事例も含め、周りからの支援が得られない産後早期の母親を支援するため、感染症への対策を講じながら、通常どおりの事業内容で継続して実施しております。
 新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての支援につきましては、子育て世代包括支援センターにおいて、妊産婦や子育て家庭からの電話相談に応じるとともに、直接支援が必要な場合には、感染対策を講じながら保健師等が家庭訪問を行っております。また、休止している乳幼児健診のうち、4か月児健診につきましては、5月25日から医療機関で自己負担なしで個別に受診できるようにしており、1歳6か月児については個別健診で、3歳児健診については、密にならないなど感染対策を講じながら、集団健診によりできるだけ早い時期の再開に向け準備を進めているところでございます。今後とも、感染症の影響がある状況においても相談や健診の機会を確保し、母親の不安や負担の軽減を図ってまいります。
 次に、DV対応と児童虐待対応に関する御質問にお答えいたします。
 まず、緊急事態宣言が出されてからこれまでのDV相談への対応につきましては、福岡市における9か所の相談窓口のほか、令和2年4月からは国がSNSやメールを活用したDV相談窓口を新設しており、本市ホームページへの掲示や市からのツイッター、LINEによるプッシュ型の通知をはじめ、フェイスブックやメールマガジンなど様々なメディア通信手段を活用し、支援を必要としている被害者の方に相談窓口の情報を届けられるよう断続的に周知を図っております。
 また、各区の保健福祉センター、配偶者暴力相談支援センターにおいては、緊急事態宣言が出されている間も通常どおり相談を受け付けており、必要と判断した事案については、速やかに一時保護につなぐなどの対応を行っております。
 次に、児童虐待への対応でございますが、こども総合相談センターにおいて、子ども本人や保護者などからの相談や虐待に関する市民からの通告を24時間電話で受け付けております。その相談や通告の内容に応じ、速やかに子どもの安全の状況を調査の上、保護者への助言、指導を行い、関係機関につなぐなど、外出自粛や学校休校等の期間においても必要な対応を適切に行ってきたところでございます。
 また、保健福祉センターにおいても、通常より地域の虐待防止のネットワークである要保護児童支援地域協議会の関係機関が連携し、外出自粛や緊急事態宣言の期間においても主たる支援機関を中心に対象児童等の状況確認を行い、速やかに必要な支援を行ってきております。以上でございます。

◯経済観光文化局長(天本俊明)
 新型コロナウイルス感染症対策に関する商店街支援についての御質問にお答えします。
 商店街への支援を含む今後の経済対策につきましては、5月の臨時会で御承認いただきました地域を支える商店街支援事業や、今回提案しております商店街プレミアム付商品券などの事業を着実に推進するとともに、感染拡大の防止と市民生活や経済活動の維持の両立を持続的に可能とするための支援に取り組んでまいります。以上でございます。

◯(大森一馬)
 3問目です。出産前後の母子への支援についてお伺いします。
 ただいま新型コロナウイルス感染症に関する妊産婦に対する支援の状況をお答えいただきましたが、新型コロナの影響により妊産婦や子育て家庭が取り残されることがないよう、引き続きしっかりと取り組んでいただくよう求めます。
 冒頭に述べたとおり、出産前後は精神的にも非常に不安定になりやすい時期です。さらに、妊娠中は特に不安なく過ごされたとしても、出産後は女性ホルモンの大きな変化に加え、夜間の授乳や夜泣きの対応など生活リズムも大きく変化し、特に初めての出産や育児の場合、不安も大きくなりがちです。
 福岡市内の産婦人科医と小児科医で出産前後子育て支援事業、ペリネイタルビジットという取組が行われています。これは、産婦人科医が初めて出産を迎える方など子育てに不安を抱える妊産婦を小児科医に紹介し、妊産婦が小児科医の下に出向いて、小児科医から育児についての保健相談や指導を受ける事業です。既に北九州市では平成28年からこのペリネイタルビジットを市の事業として実施し、年間700件以上の妊産婦が産婦人科医からの紹介により早い時期に小児科医につながるなど実績が上がっているようです。また、小児科医に、例えば、夜泣きなど子どもによく見られる症状やその対処方法だったり、栄養、皮膚の清潔のことなど何でも相談できることで妊産婦の不安が軽減され、安心して出産、育児に臨めるようになるだけでなく、市としても小児科医から連絡を頂くことで支援が必要な妊産婦の状況を把握できるなど、医療機関と行政がしっかり連携した支援の仕組みができているとお聞きしています。
 そこで、最後に質問いたしますが、福岡市では出産直後の母親の支援につなげるため、令和2年度から産婦健康診査事業を開始されますが、その具体的な内容をお示しください。
 また、産婦人科医療機関と小児科医療機関で行われている出産前後子育て支援事業、ペリネイタルビジットについて、市民にしっかり周知するとともに、小児科医療機関との連携強化を図っていただきたいと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 次に、DV対応と児童虐待対応についてお伺いします。
 まだ記憶に新しいところですが、平成31年1月に千葉県野田市で当時小学校4年生の児童が両親から虐待を受け、死亡した事件が大きく報じられました。この事件では、母親も父親からDV被害に遭っていたことが明らかにされており、児童虐待とDVには密接な関係があることが注目され、昨年の児童虐待防止対策に係る一連の法改正では、児童虐待対応とDV対応との連携強化が盛り込まれたところです。
 この法改正を受けて、DV対応と児童虐待対応の連携強化のために今年度はどのようなことに取り組むのか、あわせて、DVや児童虐待事案に的確に対応するためには職員の資質の向上が欠かせないと思いますが、関係機関に対する研修をどのように充実させていくのか、お尋ねします。
 また、本市では平成22年度にDV対策の所管局を市民局からこども未来局に移管し、DV対策と児童虐待防止対策を一元的に取り組んできたところでありますが、今後、一層連携した取組が必要になってまいります。児童虐待やDVによる被害は一向に減らず、生命にも関わる重篤な事件、事故が後を絶ちません。市民の安全を守ることは行政の大きな使命です。
 DVや児童虐待を根絶するために、今後福岡市ではどのように取り組んでいくのか、御所見をお伺いします。
 最後に、新型コロナウイルス感染症対策に関する商店街支援について。
 現在、事業者に向けた支援としては、店舗等への家賃支援、休業等要請対象外施設への支援などの市の独自支援策に加え、国の持続化給付金や福岡県の持続化緊急支援金、さらに国の雇用調整助成金、国、県、市等の各種融資制度など多数の支援策が準備されております。しかしながら、支援策があまりに多く、申請窓口も異なることから、事業者にとっては自身が利用できる支援策や手続が分からないという方も多いようです。特に商店街に加盟している高齢の店主の方の中には、パソコンを持たず、申請手続も分からないことから申請や相談を諦めている人もいると聞いています。
 そのような中、西新商店街連合会では商店街の有志が各種支援策の情報についての相談会を開催しており、商店街の会員が気兼ねなく相談に訪れることができる取組を実施されています。この相談会では、相談者からそもそも各支援策についての申請方法が分からないという声が多いとのことです。
 今回、福岡市では各種支援施策の申請サポートを行う派遣・出張相談事業が予定されていますが、商店街の方からこの事業を活用したいとの申出があった場合はしっかりと対応していただくよう要望し、私の質問を終わります。

◯こども未来局長(久田章浩)
 出産前後の母子への支援についてお答えいたします。
 産婦健康診査事業につきましては、産後2週間や1か月などの母親に産科医療機関で健診を受けていただき、その結果、支援が必要と認められた方につきましては、子育て世代包括支援センターの保健師による家庭訪問を行うほか、産後ケア事業の利用を勧めるなど、関係機関が連携して適切な支援につなげることにより産後鬱を予防し、児童虐待を未然に防止するものでございます。
 次に、議員御指摘の出産前後子育て支援事業、ペリネイタルビジットにつきましては、育児に対する不安が強いなど支援が必要な妊産婦の方を小児科医療機関につなぐ有意義な取組と認識しております。そのことから、福岡市では、以前から母子健康手帳の中でこの事業を紹介するとともに、令和元年度からは母子健康手帳の交付時にチラシを配布するなどその周知に協力いたしております。今後、福岡市のホームページから出産前後子育て支援事業を紹介するホームページにリンクするなど、さらに市民への周知を図ってまいります。また、産科や小児科などの医療機関において、妊産婦や乳幼児の健診、診療を通じて、発育、発達に注意が必要な乳幼児や不安を抱えている母親などを把握された場合は、子育て世代包括支援センターに情報提供いただいており、速やかに必要な支援につなげるよう連携を図ってまいります。
 次に、DV対応と児童虐待対応に関する御質問にお答えいたします。
 DV対応と児童虐待対応の連携強化のための今年度の取組についてでございますが、面前DVが児童に与える影響やDV相談窓口等を記載した冊子やリーフレットを新たに作成し、児童福祉司が面前DVの通告があった家庭を訪問する際に被害者の方にお渡しし、積極的にDV相談窓口につなぐとともに、窓口につないだ被害者親子に対するカウンセリング事業の実施を予定しております。
 次に、関係機関に対する研修の充実についてでございますが、DV被害者に対応する職員の資質向上のため、配偶者暴力相談支援センター、アミカス、DV被害者支援のための民間シェルター、各区保健福祉センター並びにこども総合相談センターを対象に、専門的な知識を有する人材を幅広く活用して、DVと児童虐待の特性や関連性に関する研修の充実を図ってまいります。
 今後の取組についてでございますが、福岡市ではこれまでDV対策や児童虐待防止対策について、相談体制の充実や一時保護による安全確保、市民への啓発に取り組んできております。今後は、法改正を踏まえ、DV対策と児童虐待防止対策を一体的に推進するため、関係機関との一層の連携を図りながら、DVや児童虐待による被害をともに防ぐための対策の強化にしっかりと取り組んでまいります。以上でございます。

~ 大森一馬 − 2020年08月17日 ~

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