活動報告 福岡市早良区 市議会議員 大森一馬

令和2年第1回定例会(第2日)

◯(大森一馬)
 少子・高齢化対策特別委員会の調査経過につきまして、中間報告をいたします。
 本委員会は、令和元年第3回定例会におきまして、高齢化対策に関する調査、少子化対策に関する調査、以上2件を付託事項とし、20人の委員をもって設置されました。
 以来、前期における少子・高齢化対策特別委員会での成果を踏まえながら、高齢化対策、少子化対策について、本年度は今日まで2回の委員会を開き、鋭意調査を進めてまいりました。
 本日は、現在までの調査の経過について御報告申し上げます。
 初めに、高齢化対策についてでありますが、超高齢社会における高齢者保健福祉施策の実施状況について調査を行いました。
 本市における高齢化率は、平成27年で20.7%であり、将来推計では団塊の世代が全て75歳以上となる令和7年に24.8%、団塊ジュニア世代が全て65歳以上となる令和22年には31.0%になると見込まれています。また、要介護認定者数は、平成27年度が約6万2,000人、認定率20.4%ですが、令和22年度には約13万7,000人、認定率28.0%になると見込まれています。さらに、高齢者人口の増加に伴って介護人材の需要も増加する見込みであり、国の算定によると、平成28年度に全国で約190万人とされた介護人材は、令和2年度には約216万人、令和7年度には約245万人が必要になるとの予測が示されました。
 高齢者保健福祉施策を推進するとして平成28年6月に策定された福岡市保健福祉総合計画では、生き生きとしたシニアライフの実現、安心して暮らせるための生活基盤づくり、認知症施策の推進、介護保険サービスの適切な利用の推進と円滑な制度運営、高齢者総合支援体制づくりの5つの基本目標を定めています。具体的には、福岡市健康先進都市戦略を踏まえ、人生100年時代を見据えて誰もが心身ともに健康で自分らしく暮らせる持続可能な社会を目指すプロジェクト、福岡100について、産学官民オール福岡を掲げて推進するとともに、福岡ヘルス・ラボ、ケア・テック・ベンチャー支援、ICTを活用した単身高齢者あんしん見守り実証事業、アクティブエイジングの推進などに取り組んでいます。福岡100は、団塊の世代が後期高齢者となる令和7年までに100のアクションを実施することを目標としており、現在52のアクションを実践しているとの報告を受けました。
 超高齢社会における高齢者保健福祉施策の総合的な推進は重要な課題であり、高齢者と家族の実態を十分に把握するとともに、介護保険料及び介護サービス利用料の負担抑制対策、介護認定事務の円滑な運営、現場の介護スタッフの処遇改善と人材確保、働きたい高齢者と事業者のマッチング、認知症の人が住み慣れた地域で安心して暮らせるまちづくり、在宅医療、介護関係者間の情報共有、地域や関係団体等との地域包括ケアの実現に向けた取組、買物、移動支援等による生活基盤づくり等について、今後とも、引き続き調査、検討を進めていく必要があります。
 次に、少子化対策についてでありますが、令和2年度から6年度までの5か年の計画である第5次福岡市子ども総合計画(案)に関する調査を行いました。
 本計画を策定するに当たっては、前計画である第4次計画策定以降、児童虐待を含む子どもに関する相談件数、いじめ認知件数、発達障がい児が増加するなど、子どもや子育て家庭を取り巻く現状や課題を踏まえ、全ての子どもが心身ともに健やかに成長できるよう、効果的な子どもの施策を総合的、計画的に推進するため、すべての子どもが夢を描けるまちをめざしてという基本理念を掲げ、すべての子どもの権利の尊重、すべての子ども・子育て家庭の支援、支援へのアクセス向上、地域や市民との共働、社会全体での支援という5つの基本的視点により施策の推進に取り組んでいくとの説明を受けました。
 具体的には、妊娠期から子育て期、さらにその先の青年期まで、ライフステージごとに3つの基本目標の下で、15の施策により切れ目のない支援を推進することとしています。
 目標1、安心して生み育てられる環境づくりにおいては、5つの施策を推進し、母と子の心と体の健康づくりでは、妊産婦に対する産前産後支援の充実、不妊に関する相談、支援などに、幼児教育・保育の充実では、保育の提供体制確保と質の向上などに、身近な地域における子育て支援の充実では、乳幼児親子の身近な相談、交流、学び場の提供などに、障がい児の支援(乳幼児期)では、早期発見、早期支援、療育、支援体制の充実強化などに、子育てを応援する環境づくりでは、仕事と子育ての両立などに取り組むとの報告を受けました。
 目標2、子ども・若者の自立と社会参加においては、4つの施策を推進し、子どもの居場所や体験機会の充実では、放課後等における居場所の充実などに、青少年の健全育成と自己形成支援では、子ども、若者の社会的自立に向けた取組、非行防止、思春期の保健、健康教育などに、若者等の相談支援と居場所の充実では、若者に関する総合的な支援、連携体制の整備、中高生や若者に寄り添う居場所の充実などに、障がい児の支援(学童期以降)では、発達障がい児の支援の充実、自立や社会参加に向けた相談、支援などに取り組むとの報告を受けました。
 目標3、様々な環境で育つ子どもの健やかな成長においては、6つの施策を推進し、子ども家庭支援体制の充実では、区子ども家庭総合支援拠点の整備などに、児童虐待防止対策と在宅支援の強化では、在宅支援サービスの充実などによる未然防止の強化、関係機関の連携による支援や啓発、早期発見、早期対応などに、ひとり親家庭の支援では、子育て、生活の支援、就業や自立の支援などに、子どもの貧困対策の推進では、地域の居場所と関わりの充実、就業支援、経済的支援などに、社会的養護体制の充実では、里親リクルート、里親養育の推進などに、子どもの権利擁護の推進では、いじめの防止、対応などに取り組むとの報告を受けました。
 本計画は、福岡市こども・子育て審議会の審議を経て、令和2年3月に策定される予定でありますが、今後、本計画に基づいて展開される様々な子ども施策について調査、検討を進めるとともに、産前産後の支援、女性の就業率の上昇による保育需要の増加、保育の質の確保、不登校、ひきこもりなどの状態にある子どもや若者の支援、児童虐待防止対策、ひとり親家庭への支援などについても、引き続き調査、検討を進めていく必要があります。
 以上、本委員会における調査の経過及び今後の方向性について主な点を御報告申し上げましたが、理事者におかれましては、本委員会の意向を十分尊重されますよう要望いたしまして、少子・高齢化対策特別委員会の中間報告を終わります。

~ 大森一馬 − 2020年04月20日 ~

News

お知らせ お知らせRSS

一覧

活動報告 活動報告RSS

一覧

一馬がゆく ~Offical Blog~

一馬がゆくRSS

一覧